第2章 9話『無事発見。』
そんなこんなで妖精とやらを呼んでみる事になったのでが俺には呼び方が分らない…。
と言うより見えるかどうかすらわからない…。
そう思っていると、マリーが妖精を呼ぶ儀式を始めた。
『この場に集う妖精達よ、我、メヒエル・O・マリーンの名の元に集いたまえ。』
そう言った瞬間、辺りの妖精達が集まった。
なんだか、テ○ン〇ーベルみたいだな…。
そう思っていると聞きなれない単語が聞こえた。
「我らを呼んだのは貴方ですかエルフの女王よ。」
と…。
…じょーおー…じょうおー…じょうおう…
『女王!!?』
俺はつい叫んでしまった。
「はい、私です。すみません司様、私はホーリーエルフ族の女王なのです。隠していた事は誤ります。ですが、私は貴方の僕にかわりはありません。」
そう言った彼女の顔は少し悲しそうだった。
「まぁその話は後にしよう。今は、オリエントの子供の事が先だ。すまないが妖精達の中でこの湖にオリエントの子供が白い花を摘みに来たのを見たものはいないか??父親が心配して森で破壊行動を繰り広げられていたのだが頼まれたので来てみたのだが…。」
と尋ねてみた。
「神堂家現当主、司様と御見受けいたしますが…大きくなられましたね…。」
「何故俺の名を…それに現当主だと言う事も…。」
「分りますとも、貴方の魔力は他の人とは全く違いますから、雰囲気で気付きますよ。」
「司様…貴方は一体…。」
「マリー、この話も後だ。今は、とにかくオリエントの子供の件が先だ。」
「絶対ですよ。」
「分ったから…で、お前達は、オリエントの子供をこの辺りで見てないのか??」
『見てないよ~。』
『見てないなぁ…。』
『見なかったよねぇ??』
『見てなかったと思う…。』
『俺、森の入り口で見かけたぞ。』
と言う証人が現れた。
妖精なのだが…。
「本当か??」
『あぁ、確か泣きながら、御父さん、御母さんって言いながら歩いてるのを見たぜ。』
「そうか、ありがとう。それから、ここら辺に白い花は無いのか??」
『それでしたら、ここに。』
そう言って、ここら辺の妖精を束ねていると思われる聖霊らしき者が、白い花を持ってやってきた。
「すまない、近いうちに必ず、礼をしに来る。」
『別に気にせんで下さい。司様にはやらねばならない事があるはずでしょう。だから、10000年も先のこの時に居る。そうじゃ無いのかのう??』
「流石は、ここら辺の妖精を束ねるだけの事はありますね…。知っているんですか??」
『あぁ…あの話は有名じゃからのう…。』
「そうですか…。」
『もし、何かあればワシらも呼んでくれ。この世界を守るのはワシらの為にもなるからのう。』
「分りました。その時は是非に。」
『ふぉっふぉっふぉ~。それでは、気をつけるのじゃぞ。』
「はい…。行こうか、マリー。」
「はい、司様。」
そう言って僕等は、この湖から少し離れた、森の入口にやってきた。
「オリエントの子供見つからないね…。」
「そうねぇ…。」
そんな事を言っていると何処からか、鳴き声が聞こえた。
『御父さん、御母さん…。』
「マリー。」
「えぇ。」
俺は、マリーに呼びかけると、急いで向かった。
「君が、白い花を取りに言ったオリエントの子供だね??」
「貴方達は誰??」
「俺は、神堂司、こっちは俺の使い魔であるホーリーエルフのマリーだ。」
「どうして僕が白い花を取りに来ている事を知っているの??」
「君の御父さんから話を聞いてね。森で暴れてたから、事情を聞いたら息子がいなくなった。って言っていて、心当たりは、湖に咲く白い花しか思い浮かばないと言っていた。なのでかわりに探しに来たんだよ。」
「そうだったんだ。ありがとう…でも…まだ、御母さんの病気にきく白い花が…。」
「それならこれだろ??」
そう言って俺は先程、聖霊からもらった白い花を取り出した。
「うん、ありがとう御兄ちゃん。」
「じゃあ御父さんも心配してたし、帰るか。」
そう言うと俺は、魔法でオリエントとマリーと俺自身も風魔法で浮びあげてそのまま一気にオリエントの父親のところまで飛んで行った。
「御父さん、これ御兄ちゃんが取ってきてくれたよ。」
「おぉ、これさえあれば…。何と言っていいやら。少年よありがとう。」
「いえいえ、礼には及びません。好きでやっただけですから。」
そう言って俺はマリーと共に学園に帰って行った。