第2章 8話『呼ばれて飛び出て』
メアリーさんの地図を頼りに俺は急いで、湖に向かった。
湖は、丁度学園シティの裏(南)にある森から、更に南に行くと山があるのだが、その山の中腹にある。
森から行った場合、その湖から流れる川を一度渡り、そして山を登らなければならない。
おそらく、上手くいけば湖であえるだろう。
そう考えた俺は、急いでオリエントの子供を探しながら向かった。
しかし湖まで来たが見つからなかった…。
どこかで見落としたのかもしれない…。
俺は念話でマリーに語りかけた。
『マリー、マリー。』
『何?司。もうついた??』
『ついたけど、子供が見当たらない…。』
『とりあえず私をそっちに召喚して。』
『召喚の仕方が分らないのだが…。』
『もう、それ位事前に聞いてよね。いい、召喚方法は、≪我に従いし者よ、来い≫だけで司の場合は大丈夫よ。』
『大丈夫ってのは何だ??』
『まぁいいから、今はとりあえず早く私を呼んで。』
そう言われ俺は渋々言われた通り呪文を唱えた。
『我に従いし者よ、来い』
すると、目の前が明るくなりマリーンが来た。
「司、会いたかったわ。」
そう言っていきなり抱きついてきた。
「おわっ。」
俺はビックリしてマリーと共に後ろに倒れた。
「待ちくたびれちゃったじゃないの。」
「ごめんごめん。でどうして俺の場合はあれだけでいいんだ??」
「だって、司はまだ私としか契約してないし、もしも2体以上いた場合は名前で呼ばないと皆来る事になるのよ。」
「あぁ、そんな事か。」
俺はてっきり、自分がおかしな存在なのかと勘違いした。
「ところでオリエントの子供が見つからないってどういう事??」
「俺にもわからん。どこかで迷っているのか、それとも…誰かに連れ去られたのか…。」
「とりあえず聞き込みをしましょう。」
「と言っても誰に??」
「そうねぇ…、この辺りに住んでいる妖精にでも聞いてみましょうか??」
「妖精って何だ??」
「妖精はね、平たく言えば魔導の集合体の様なものね。人間が魔法を使った時の残りかすを餌にして存在しているの。後はそれから、聖霊王って言うのも居て、妖精とは違ってこの世界が創られた時から存在していて、この地を守ってるの。」
「へぇ、妖精や聖霊なんかも居るんだ…。」
「司は本当に何にも知らないんだね。」
「うん、だから教えてくれたら助かるよ。
「お任せ下さい、御主人様。」
そう言ったマリーは少し嬉しそうだった。