第2章 6話『森の入り口にて…』
俺は歩くのが面倒だったので、フライを使い森まで飛んで行った。
森の入り口に着くと何やらモンスターらしき気配がした。
俺は急いでその方角に行ってみると一人の女性が、何やらモンスターと対峙していた。
「はぁはぁはぁ…いい加減…シツコイなぁ…。」
見ると女性は大きな剣を持ちそしてそれを軽々と振り回していた。
そして特徴的なのが耳である。
普通の人には絶対にない様な細長い耳をしていた。
とそんな彼女を見ていると後ろからもモンスターがやってきて襲いかかろうとしていた。
「危ない。」
俺は咄嗟に彼女の包囲に俺お得意の結界を張った。
そして次の瞬間モンスターはその結界に触れて電流が走りどこかに逃げて行った。
「大丈夫か??」
「…フン…あんな奴ら私一人でも大丈夫だったわよ。私に話しかけないで。」
そう言って彼女は立ち去ろうとしたので、俺は手をつかんだ。
「チョット待ってよ。君に聞きたい事があるんだ。」
「放してよ。人間なんて大嫌いなの。」
「何故??君は人間ではないの??」
「…貴方…頭大丈夫??ちゃんと目ついてる??」
「当たり前じゃないか。」
「私はエルフよ。ここまで言えばわかるでしょ??」
「エルフって何??」
そう彼女はエルフだったのだ。
『エルフとは魔族の一種で、ホーリーエルフとダークエルフの二種類居るらしい。もちろん性別は男女である。ちなみにエルフは身体能力が高く、力が強く、早い。そしてホーリーエルフは聖魔法に長けており、ダークエルフは闇魔法に長けているらしい。そして寿命は人間の約3倍らしい。』
「へぇ~、それで何故人間を嫌うんだ??」
「お前は何も知らないんだな。」
そう言うと彼女は溜息をついた。
「まぁこの世界に来てまだ2週間経ってないからね…。今日で10日目かな??」
「何~!?お前異世界人なのか??」
「いや、元々はこっちの世界に住んでたんだがな…。訳あって小さい頃に別の世界に飛ばされてたんだ…。」
「そうか…。それはすまなかった。」
「別に気にする事はない。今では昔の記憶も大体は思い出したし…。」
「じゃあ話を戻すぞ。お前は、魔人戦争を聞いた事はあるか??」
「いや、ないな。何年前の話だ??」
「約、5000年前の話だ。」
「だったら聞いた事はないね。俺が飛ばされたのは、もっと前だからな…。」
「そうか…。その戦争でな、人と魔族が戦争をしたんだ。もちろんエルフも戦った。魔人として。その戦いでは沢山の人と沢山の魔族が死んでいった。そしてその時から、魔族と人間の因縁が深くなった。だから、人間はエルフを嫌う。もちろんエルフも…。」
「へぇ~。そんな事が…。でも昔の事だろ。今更そんな事言われても俺は助けたかったから、助けただけだ。エルフだからとか、魔族だろうが結局は生きているのに変わりはない。違うか??」
「まぁそうだな…。」
「俺は出来れば…皆を救いたい…この目に映る全ての生きている奴らを…。」
「御前は不思議な奴だな…。名は何と言う??」
「俺の名は神堂司だ。」
「神堂…司…。私の名はメヒエル・O・マリーン。気軽にマリーと呼んでちょうだい。」
「分ったよマリー。でもマリーは人間が嫌いなんじゃ…。」
「司は私を助けてくれたもの。それに私が貴方をきにいったの…駄目??」
「駄目じゃないけど…。」
「じゃあ契約しましょう。」
「契約って何??」
「契約ってのは魔族を使役させる為の、召喚魔法とかの一種よ。この場合は両社の合意であれば儀式を行う事で相手を使役させる事が出来るの。」
「へぇ~。いいよ。」
「ありがとう、司。じゃあチョット手を出して??」
そう言われたので俺は手を出した。
すると彼女は俺の指に小型のナイフを刺してその血をなめた。
「あら、司の血美味しわね…癖になりそう。」
物騒な事この上ない…。
そして彼女も自らの指をナイフで切り俺にその指を嘗めさせた。
…すると、俺とマリーの回りに魔方陣が現れた。
「私に同じ様に言ってね。」
そう言うと彼女はこの様に言った。
『私、メヒエル・O・マリーンは神堂司の従者として、彼と共にあり続け、どんな時も共にあり続けます。』
『俺、神堂司はメヒエル・O・マリーンの主人として彼女を導き続けます。』
そう言うと、魔方陣は消え徐々に光も消えていった。
「これで私は司だけのモノになっちゃった…。」
そう言って彼女は赤くなっていた…。
予想外の展開に…www
いや、作者も書いてて、えっ??
なにこのカオスはって感じになりましたよ…www
まぁそれも良しと言う事で…。
書いてる本人ですら予想外…。
でもよくあるよね…。
森でモンスターに襲われてる女の子…。
でも女の子じゃなくて魔族にしてみました。
ちなみにこのメヒエルって名前は天使の一種で、善き方向に向かう様に見守る天使らしいです…www
ではでは…。