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第1章 10話『いざ学園へ』


気付けば、俺は出発の日を迎えていた。

「ん??何だ??」

起きるとシイナが顔を涙で腫らした姿で俺の手を握ったまま眠りこけていた。

「おはようシイナ。」

俺はそんなシイナに感謝の意味を込めて握られた手にキスを落とした。

すると、シイナは『きゃ~!!』と叫びながら起き上った。

「起きてたのかよ。」

「今起きたのよ、それより2日も寝たままだったから心配したんだよ??大丈夫??」

「あぁ、大丈夫だよ。一寸寝なさ過ぎて倒れただけだから。」

「きちんと寝なきゃ駄目だからね。で、本はどれ位呼んだの??」

「んん・・・。だいたい、2000冊かな??あと半分位??」

「そんなに読んだの!!?体に悪いよ。」

「大丈夫だって、体だけは丈夫だから。」

そう言って俺は笑って見せた。

「倒れたくせに・・・。心配したんだからね。これから無理は絶対に駄目だからね。」

「分ったよ、シイナ。ところで学校にはどうやって行くんだ??」

「へっ??あぁ、転移魔法、と言いたいけれど転移魔法禁止だから、歩いて電車に乗って行くわよ。学園専用の電車があるの。」

「そうなんだ。だったら早速出発だね。って荷物用意してない・・・。」

「しておいたわよ。ツカサ寝込んでたから・・・。ほらこれ見て。」

そう言ってシイナは俺に荷物を渡してきた。

「ありがとう、シイナ。」

「じゃあ下に行ってご飯食べよう。お父さんもお母さんも心配してたわよ。」

「そうだな、行く前に元気にご飯食べたら心配なく学校に行けるな。」

そう言いながら、俺達は、大広間に行った。


「おはようツカサ君、心配したんだからね、無茶しちゃだめよ。」

「おはよう、父さん、母さん、心配かけてごめん。ちょっと本を読む事に夢中になっちゃって。ごめんなさい。」

「まぁ男の子は心配かけてナンボだからな、わっはっはっはっはっは。」

「それよりおなかすいたでしょう。門出の祝いに沢山作ったの。ちょっと作りすぎたかしら・・・。」

「大丈夫だよ、母さんの料理はとてもおいしいから。」

そう言って手近にあった皿を取りがつがつ食い始めた。

「おいしいよ、母さん。ありがとう、父さんも。」

俺は改めて2人に礼を言った。

二人とも照れくさそうに笑ってくれたので俺はシイナと二人で堂々と行けると思った。

まだまだ先は長いけど頑張って恩を返そうと決意した。


「じゃあ父さん、母さん、ありがとう。行ってきます。」

「じゃあね、お父さん、お母さん、心配しなくても大丈夫だからね。行ってきます。」

「気を付けて行けよ。手紙送るからな。」

「2人とも忘れ物はない??」

「ありがとう。」

「ないと思うわ。」

「そう、じゃあ。」

『行ってらっしゃい。』

『行ってきます。』

俺達は二人で町にある駅へと歩いて行った。



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