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健太の日記LIVE  作者: 蔓草登上
2/10

七草粥と台風寒波と緊急事態宣言2

挿絵(By みてみん)2020/01/07



 



「風が強いな・・・。」

寿樹がガタガタ音を立てる納戸の外を見てつぶやいていた。

寿樹が朝早くにお勤めを終わりにしていたから、気持ち的にゆっくりできるのかと思って、僕は昨夜、村の人からもらっていたセリ・ナズナ・スズシロをサックサク切っていた。


 

 建物の外はみぞれ交じりの猛吹雪となり、古い木の柱を痛めつける。

「なんか寒くなってきた。」と言って半纏はんてんを羽織るのは鬼空。

「雪になりそうですね。」

珍しく弦賀さんもこの一ヶ所に集まって来た。

「弦賀さんも来たの?珍しい。」

「いやー。あの研究所もプレハブでしょう。こうも吹雪かれるとエアコンもいまいちでして。」

という事で、みんな火を使う食卓に集まってきたのだ。



「お、健太さん。今日は七草粥ななくさがゆでしたね。」

弦賀さんが褒めてくれる。

「健太が作れるのか?」

いつもけなす事しかしないのは鬼空。

「失礼な!ちゃんと如月きさらぎじいと興津おきつさんから教わったから大丈夫です。」



 お粥って味付け何だっけ?

台所のあるはずの思っていたダシが切れていた。

これだから二人以上で台所を立つのってリスクがある。

こんな、嵐ような天気の日に外へ買い物へ出ようとは思わない。

いや、出て行けない。



「今日の昼めしって、マジで粥なの?」

「お正月の胃袋を休めるいい栄養補給ですよ。」

弦賀さんが当たり前のように鬼空に言い定める。

 

「無理だよ。正月に胃袋痛めてないしさ。」

鬼空の一言に、みんなうなだれる。


健太がぐつぐつ煮立つ鍋の中に、鶏のダシを入れようとしたら。

「粥に何故ダシが入る?」

寿樹の指摘があった。


今日は外野がうるさいな・・・。

「七草粥は塩が二摘まみくらいだぞ」

「それじゃ、みんなのお腹を満たせない気がする。」

「健太、肉入れろ!」

鬼空の言いたいこともわかる。

「みなさん、お腹を休めるお粥ですよ。」

弦賀の声もむなしい。

みんなお腹減っているのだから。


「みんな、緊急事態宣言始まるから見てて!」

健太が叫ぶ。


 テレビは昨日の夜中異例の深夜0時に小池都知事と埼玉県知事の会談内容が放映されていた。

1月8日~2月7日の1か月間 2度目の緊急事態宣言が 東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県に発出された。

午後8時以降の外出を自粛することと、酒提供があるお店に時短営業を要請。新たな法改正により、応じない店舗名の公開などがある。テレワークで出勤7割削減。

「これ、1ヶ月でうまくいくのか?」

「難しいでしょうね。」

「昨日は、アドバイザリーボード(厚生労働省)が寝ずに動き回っていたな。」

諮問委員会しもんいいんかいで使う資料が欲しいのでしょう。誰もが寝ずに動いていましたよ。」


出来上がったお粥と鶏のから揚げを出す健太。

「やった!から揚げゲット!」

一番に飛びつく鬼空。


「美味しいですね、このお粥。」

弦賀がまた褒めてくれた。


「この甘みは一体なんだ?」

寿樹が健太に問う。

「先ほど入れるなと言った、鶏ガラの素です。」


「から揚げ旨い!」

「本当だ、から揚げもお粥に邪魔しない旨味が…」

弦賀が喜んでいる。

こうじの鶏肉を使いました。お粥に合うように優しい味で、それでいて旨味のある。」


「健太最高!」

口の中に沢山から揚げをほおばりながら絶賛する鬼空。


「健太さんお料理の腕が上がりましたね。」

「みなさんのお陰です。」

ペコリと頭を下げる健太。


「みんなの口に合わせられるようになったんだな。」

と寿樹。

心の中でガッツポーズ!

「それって、寿樹も美味しいって思ったの?」

「ああ、」

さらに、ガッツポーズ❕



今日は強風で外へ出られない、これから緊急事態宣言で外へ出られない。

寿樹との時間をありがとう神様・・・。





「あれ?なにやってんの健太。」タラフク食べた鬼空が僕の部屋へやって来た。

「え、打ち込み。」

「ヒマなのはわかるけどさ、それやっちゃいけないっていわれてるじゃん。」

「見逃して」

「いや、ダメだって。」

鬼空がパソコンを消去させようとしてくる。

「寿樹~。健太がLIVE発信してるよ。」

「なに!LIVEはネタバレになるからやめなさい。」

「いや、大事。大事な部分なんだよ~。」


かんべんして~・・・。

「健太、挿絵が間に合わないからダメだよ。」

(´Д⊂グスン


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