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テンプレ即ちお約束1

「どうしてこうなった…………」


今俺の目の前にはギルドマスターがおり周りからは俺の嘆きを掻き消すように歓声が聞こえる。


「キャーッ、ヨズルさん頑張ってー!!」


俺に対する激励はこの状況を作った本人のものだ。

ハァ……。やれやれ、どうしてこうなったんだよ…………。

今に至るまでの経緯を俺は思い返す。


★★★ ─数十分前─

俺はクエストで探した薬草と大巌竜の素材をもってギルドに向かいクエストの報酬の受け取りと素材の買い取りをしようとした。


「こんばんわ、ヨズルさん。クエストの報告ですか?」


俺の担当をしているエクリアさんが笑顔で挨拶をして用件を聞く。

可愛いなぁ……ッハ!? いかん間違いなく呆けていた。


「…………っああ。 後、もう一つモンスターの素材を買い取ってほしいんだが」

気を取り直してすぐに答える。


「かしこまりました。 では、まず薬草から確認させてもらって良いですか?」


言われた通り薬草を取り出す。


「……はい、確認しました。 報酬は銅貨三枚ですが、こちらの薬草は少し良質なもののようなので依頼数の数より余った物は買い取りで銅貨をもう二枚追加して銅貨五枚に出来ますがどうしますか?」


一瞬の鑑定でそこまで正確な結果を出すエクリアさん。

そんなことは鑑定のレベルが高くないと出来ないはずである。


「…………? ……あっ、私元々鑑定士の職に就いてまして鑑定にはそれなりの力があるんですよ それに、ここでも新米冒険者ルーキーの方たちや熟練冒険者ベテランの方々が持ってくる素材を見てたらもっと鑑定の力に磨きがかかりまして……だから、ほんの少しの時間でわかったんですよ」


訝しんでいたのが顔に出ていたのか、俺の顔を見たエクリアさんは少し首をかしげた後、ハッと何かを思い出したような顔をして考えていた事への説明をした。

まぁ、途中途中に可愛いなぁとか思ってたら聞き逃したけど……。

だって首を傾げた瞬間なんてコテンって感じだぞ?

可愛い子のコテンって首を傾げるのは反則級の破壊力だと俺は思う。


「そうだったんですか。 変に疑ってすみません、では買い取りでお願いします。」


「いえいえ、ビックリさせてしまってすみません。 では、買い取らせていただいて、次に残りの素材を見せてもらって良いですか?」


あっ、そう言えばすっかりもう一つの大巌竜トカゲの素材の事を忘れていた。


「とりあえず、これの素材なんですが……」


そう言いながら大巌竜トカゲの素材の一つを取り出してカウンターに置く。


「それでは拝見しま───」


そこまで言ったエクリアさんの口が開いたまま止まる。


「あっ、あの……この素材はどちらで?」


ちょっと溜めぎみに素材の出所を聞くエクリアさん。

ん? 何かヤバイ気がする。


「こっ……これはちょっと……木々鳴きの森で拾っ──」


「すぐに上のものを呼びますからちょっと待っててくだしゃいっ!!」


遅かったーッ!! 俺が言い訳を言い終わる前に走り出してしまうエクリアさん。

不味いかも……、ってそう言えばエクリアさんさっきガッツリ噛まなかったか?

そんなことを考えて数分ほど経った頃、奥から見た目30後半のなかなかのイケメンがすごい勢いで向かってくる。


「お前か!? 大天龍グランドドラゴンを指一本で倒したってのたうち回ってるってのは!?」


「ハァッ!?」


ミドルイケメンは突然俺の肩を掴むとそう言った。

何かスゲーおかしくなってないか? 指一本で倒したって? なわけあるか!! それに種族も変わってんだろうが!!

数分間で何がどうなったら間違えるんだよ!!

なんだこの伝言ゲームでミスったみたいなノリはぁ!!


「いや、ギルドマスター違いますよ!! 大巌竜グランドドラゴンの素材を持ってきた人が来たって言っただけじゃないですか!!」


「むぅ……そうだったのか、 すまなかったグランドドラゴンって言葉で早合点してしまったようだ。」


「いや、それは構わないんだが……」


エクリアさんの言葉で正気に戻ったギルドマスターはすぐさま俺に謝罪する。


「いや、本当にすまない 私はここのギルドマスターをしているジンと言う。 よろしく頼むヨズルくん」


「あぁ、よろしくお願いしますジンさん。 後君づけは少し変な感じがするのでやめてもらって良いですか?」


軽く返しながら君づけは堪えるのでやめてほしいと伝えたらそうかと改めてくれるようだった。


「だが、竜種に含まれるものを倒してくるとはヨズルは相当の手練れなのだな!」


「勝手に決めないでくださいよ 俺は倒したなんて一言も───」


俺が言っていないと続けようと口を開いたとき誰かがその言葉を遮るように話す。


「嘘です!! この人一人で大巌竜グランドドラゴンを狩ってました!!」


周りの人が全員その言葉を発したやつの方を向く。もちろん俺も。

その容姿は身長は150半ばより少し下くらいで髪の毛はアッシュブロンドの髪をフワッとしたショートカットにしている。

目の色は吸い込まれそうな程澄んだ青で目はそれを引き立たせるかの如く大きく少しつり上がっている。整った顔立ちの美少女が立っていた。


「ハァッ!? お前誰だよ! てか、そんなことなんで分かんだよ!!」


「そんなの見てたからですよ」


内心超ハラハラしてる状態で敵さんみたいな台詞を吐く俺に何を当然なことをとでも言うように答える灰金美少女。


「それは本当かね? アンナ」


その美少女─アンナ─に対してジンさんが質問する。


「そんなの闘ったら分かりますよ? 疑問なんて一発で解決です」


そんな質問を俺にとっての爆弾に変換して送り込んでくる。


「ちょっ……待っ─────」


「そうだな! よし! ギルドマスターの権限を以てヨズルに私との手合わせを行うことを命令する!!」




★★★

そんなこんなでこうなってしまったわけである。

「すまないがこれもお前の力を把握するためだ。 悪く思わんでくれ」

そう言いながらも少し笑みが漏れているジンさん。

ハァ……やるしかないのだろう……。

歓声がどんどん強くなるにつれて自身の心が沈んでいくのが分かった。


















こんにちは七八転です。

月に一回ほどのペースで書いているような気がしますが、仕事がぁ……仕事さえ片付けられればぁ……と言う状態であります。

これからペースを早めたりしたいですね。

新キャラ登場!!さぁこれからどうするか考えていませんが頑張るのでこれからもよろしくお願いします。


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