プロローグ1
俺-神代夜弦-は、死んだらしい。
他人事のように聞こえるかもしれないが、自分でも分かっていなかったのだから仕方がないと思ってほしい。
俺が死んだことを知ったのは神を自称するやつに言われたからだ。
まずは、そこから説明しよう。
俺は、目覚めると何もない真っ白な空間にいた。
「あっ、やっと目を覚ましたね。 おはよう神代くん。」
ここがどこか確認しようと辺りをキョロキョロしていると俺を呼ぶ声が聞こえた。
自慢ではないが、俺は家族か先生以外から名前を呼ばれることがないため聞いたことのない声が自分の名前を呼ぶことになにやら怪しさを感じた。
「あんた誰だ?……ここはどこだよ」
自分の出来る限りの見栄を張りながら、俺は言った。
「そんな怖がらなくても良いよ。ちゃんと説明していくから。」
そいつは、俺を見て笑いながら言った。
その時はじめてそいつの姿を見た。
そいつは、少し光るような銀色の髪を短めに切り揃えた少年か少女のようだった。だが、姿を見るだけで何かしらの威圧を感じて自分が息を飲むのが分かった。
そんな相手に圧されながらも心を平常に近づけて話を続ける。
「じゃあ、説明してくれ。ここはどこであんたは誰なんだ。」
「うん、説明していくね。まずは君は死んでいるんだ。そしてここが────」
「ちょっと待ってくれ。俺が……死んでる?」
突然の爆弾発言にそいつの説明を止める。
「うん、君は学校の帰りに薬中に刺されてね。君以外も刺されたんだけど君だけが死んだんだ。」
そいつは、俺の死んだ経緯を淡々と語った。
「じゃあ、続けていくね。」
俺が黙ったのを納得したととらえたのか、話始める。
「で、ここは天国って言ったら分かりやすいかな?それで僕なんだけど君たちからすれば神ってことになるかな。」
そう言うと自称神は最後に説明終了といって話を終わらせた。
まぁ、死んでると聞いてここがどこでこいつが誰かは大体分かったようなものだった。
「ひどーい!!頑張って分かりやすく説明しようとしたのに。」
「そうやって人の心を読んでることからしてホントに神なんだな。」
心を読まれたことで神というそいつの言葉に真実味がました。
だが、どうしてもわからないことがある。
「どうして、ここに俺は呼ばれたんだ?」
ただ、あの世に送るだけなら神には、会わない気がするのだ。
「それはね、君は元々死ぬ運命になかったから人数に含まれないんだ。それに今日本は高齢社会で人の死も多くてね満員なんだよ。だから、君にはどこかに転生してもらおうと思ってね。」
知らなくても良いあの世の情勢を知ってしまったが、そんなことはどうでも良かった。
転生できるということは、新しい生活が出来るということだ。
それは今までの自分を知らない世界に行けるということでその時の俺にはとても魅力的なものだった。
「それで、大丈夫かな?」
確認をするように神が俺に問う。
「あぁ、構わない早く転生させてくれ」
意気揚々と俺は言った。
「じゃあ、すぐに飛ばすね。最後に……君に幸運があらんことを願うよ。すごく骨身に滲みるからね。」
神は最後に意味深な言葉を言いながら不敵な笑みを浮かべていた。
「ちょっ……まっ────!!」
それを見て俺は嫌な予感がしたがもう遅かった。
辺りが突然目映く光ると次に見たのは真っ暗な森だった。
「はぁ……何が起きたんだ?」
辺りを見ても真っ暗な森だけでなにもなかった。
辺りを見て見ようと歩いてみると自身の体が軽く感じた。
それを気にせず歩くと一部木の抜けた場所に出た。
「な……何じゃこりゃー!!」
出てすぐ自分の姿を見て声を上げてしまった。
なぜなら、自分の足元を見るとただ、肉のない足の骨だけで立っていたのだから。
そう、俺は骸骨戦士になったのだった。
どうも七八転です。
新しいものを連載したいと思い、始めました。
これから2作品とも進めていけるよう頑張りますのでよろしくお願いします。




