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第1話 最初の街ノーザンリーフ

コメントいただければ幸いです


「ユウ!ユウ!ねぇ聞いてる!」


その声で俺--ユウ•オルデシアの意識が現実へと引き戻される。


『あぁ悪ぃエリリ。ちょっと昔のこと思い出しててな。で何の話だっけ?』


俺は視線を移り変わる窓の外の景色から目の前の真新しい鉄の甲冑に、年季の入ったこげ茶色のローブを上から羽織った少女ーエリリ•ニンフィーへと向け、謝罪と疑問が混じった言葉を述べた。


エリリは俺が話を聞いてなくて不機嫌なのか眉間にしわを寄せており険しい表情をしている。


『もう! ちゃんと人の話聞いて!もうすぐでフォルデシアのノーザンリーフに着くから宿とかどうする?って聞いてたのよ。』


『お、もうそんなところか。』


俺はもう一度窓の外に視線を向けると陽が沈み始め徐々に空が暗くなっているとこだった。


俺たちは今、これまで住んでいた街から馬車を使いこの大陸の南部にあるフォルデシア王国の王都リーフィスへと街道を移動している。


つい3日前に俺たちはギルドで冒険者としての登録を済ませ、新米の冒険者として育ての親であるアミリアさんの元を離れ2人で旅を開始した。


目的は幻と言われている花『月光花』を見つけること


その花は数々の伝説に登場しまるで月のように白く明るく輝き、ガラスのように透き通っていると伝えられている。


俺たちはその花を探し出し、5年前捨てたれた俺を救ってくれ、なおかつ厳しい家計の中俺と実の娘であるエリリを魔術学校へと通わせてくれたアミリアさんに恩返しとしてその花をプレゼントする。そのために冒険者となり『月光花』を探す旅に俺たちは出たのだ。


俺はギュッと気合を入れるかのように拳を握る。


『なんか気合い入れてるみたいだけど…。

まぁとりあえずこの地図を見て。』


そんな俺の様子を見てかエリリは呆れながらある地図を俺とエリリの間に設置されているテーブルに広げた。どうやらある程度怒ったからか不機嫌さは消えている。


広げた地図には上部にフォルデシアと大きく黒い文字で書かれていて下には地形と街の名前や街道などが書かれている。


どうやらこれから向かうフォルデシア王国の地図のようだ。


エリリはその地図の地形部分の最上部に位置するノーザンリーフと書かれた街を指差した。


『いい?さっき言った通りこの馬車はもうすぐでこのノーザンリーフに着くわ。そこから王都のリーフィスまでは一回ここで馬車を乗り換える必要があるの。』


『うんうん。』


『でその馬車なんだけど、夜中便か明日の昼ぐらいに出る馬車のどっちがいいか聞きたいんだけど。』


どうやら宿に泊まって次の日の馬車に乗るか、夜中に走行する夜中便に乗って行くかをエリリは聞きたかったらしい。


『なるほど。だったら明日の昼の馬車でいいんじゃないか? 別に無理して夜中便に乗って行くほど急いでるわけでもあるまいし。』


エリリの提案を聞き俺は昼の馬車に乗ってくことに決めた。


確かに夜中便に乗れば明日の早朝には王都に着く。だが、別に今回は『月光花』を見つける旅だ、急病人の特効薬の材料などを探すわけじゃあるまいし無理して急いで王都に行く必要はない。


それにまだ新米といっても学園のほうからもある程度の支給金が出ているし宿に一泊するぐらいどうってことはなかった。


『わかったわじゃあノーザンリーフで一泊して行きましょう。』


エリリも同じことを考えていたのか特に互いに異論はなくすんなりと宿に一泊することに決まった。


『お客さん。もうすぐでノーザンリーフに着くから降りる準備をしといてくれな〜』


御者のおじさんから降りる準備をするように言われ、俺たちはそれぞれ自分の荷物をそれぞれひとつの革製のバッグに入れまとめる。


それからしばらくして俺たちが乗った馬車はフォルデシアの北の国境の街、ノーザンリーフへと到着した。


☆ ☆ ☆ ☆


『おー!ここがノーザンリーフか!』


俺は馬車から降り立つと夜なのに活気に満ち溢れているこのノーザンリーフの街並みを見て少し興奮気味に言葉を述べる。


この馬車などが停留する停留所は御者のおじさんの話によると市街地の少しはずれにあるようなのだがそれなのにも関わらずかなりの活気に満ち溢れていた。


『さすがフォルデシアの北の玄関口なだけあるわね。』


俺の横に立っているエリリはいかにも勉強してますよ的なことを口走っている。


『いつもは流石にこの時間帯にここまで賑わってることはないさ。今丁度フォルデシアの第二王女サミュエル様が歌の公演の為にこの街にいらしてるから祭りが開かれてるからここまで賑わってるのさ。』


俺たちが街を眺めてそんな感想をこぼす中、ここまで賑わってる理由を御者のおじさんが教えてくれた。


『王女がなんで歌の公演なんか?』


『えっ!ユウ知らないの? サミュエル様って歌がもう天才的に上手で色々な国を飛び回って公演を開いているのよ。』


俺が疑問に思ったことを口にするとエリリはいかにも信じられないって思ってるような驚いた表情を見せた。


だが俺はそんな表情より一国の王女が各地を飛び回り歌の公演を開いていることに驚いた。


要するにそのサミュエル様は王女でありながら歌手として活動しているってことだ。


それは俺が持つ王女などが普段行っていそうな行動のイメージと随分かけ離れていた。


『俺は一回ラブラドールでサミュエル様の歌声を聞いたことがあるが、まるで天使のような美しい歌声で泣くほど感動したぞ!。』


御者のおじさんは良き思い出を思い出しているのかかなり幸せそうな表情をしながらそう話す。


『おじさんほどの巨漢が泣くのか…』


俺はその話を聞いて髭を長くのばしガッチリとした体型をしたおじさんが泣くのを想像しなぜか笑いがこみ上げてきた。


『まぁとりあえず宿へと向かいますか。』


俺はおじさんの泣き顔を想像するのをやめ、エリリに宿に行くことをうながし歩き始める。


『そうね。そろそろ行きましょうか。』


エリリもその気になり、もう歩き出していた俺の後ろをついてくるように歩き始めた。


『お前たちまたぜひ俺の馬車に乗ってくれよ!』


御者のおじさんは宿に向かう俺たちに向かってその大きな手を振りながらそう述べてくる。


『おう!また機会があれば乗らせてもうぜ!』


『ありがとうござましたー!』


俺たちもそれに応えるかのように手を振りながら停留所をあとにし、一路宿へと向かった。


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