第四話 神の悪戯
「___ッドまだ起きないの……?」
暗転し意識が戻ったかと思えば、何か布に包まれた感覚が有る
ベッドに寝かされている感じ
瞼を閉じたまま耳に意識を向けると女性と男性の会話が聞こえる
男性は先程の赤髪と同一のようで
「ねぇ、人工呼吸したら起きるんじゃないかしら」
心臓が高鳴る
まさか、
まさか、女の人に口付けをして貰えるんじゃないか
いや……これで不細工なんだろ
うっすら、うっすら目を開けて確認を
「……」
神は味方した
美人だ
一瞬しか見てないが、
青色の艶やかな長い髪
そして大人しそうな顔付きに
大人びた雰囲気が出ていた
(神様……)
内心、先程のクソジジイを拝み次の行動を待ち受ける
「さ、ガイル。やってあげて」
「仕方ねえな……」
な ん だ と
可笑しい
凡そ女性が奏でる事の無いような大きな音で関節を鳴らしているのが耳に入る
目を閉じていても分かる
先刻の男性、ガイルが俺に接近しているんだろう
「失礼する「起きましたああああ!!」ふむ……」
耳元でガイルの声がすれば跳ね起きる
急ぎ辺りを見渡すが、
ガイル
なんでアンタは寂しそうな目をコッチに向けている
「ふふっ、それだけ元気が有れば問題は無さそうね」
白衣を着た女性
首から名札を下げており
〔セスラ=ミーシア〕
と書かれている
セスラさんが髪をかきあげながら片手に持っていた紙に何かを書き込み微笑む
「それにしても、なんで貴方が魔力酔いなんてしたの?」
「魔力……酔い?」
明らかにファンタジー要素の発言に首を傾げる
魔力で酔うことなんて有るんだろうか
「……」
俺の発言にセスラさんが怪訝そうな表情になり、ガイルに目線を送る
「悪いな、大人しくしてくれ」
耳元で声が響いたかと思えば、真後ろから筋肉の塊に抱き締められた
「っ、急になんだよ!?」
「すこーし、少しね。調べさせて貰うだけよ」
セスラが豊満な胸の間から一本の棒を取り出す
木製のそれは先端が尖っており人の体であれば貫けそうだ
「えいっ」
俺が眺めているとその棒を真っ直ぐ俺の胸に投げてくる
驚く時間も無いまま体に溶け込むように棒が飲み込まれる
痛みは全く無く、
何が起こっているのか分からないため
置いて行かれた感覚に
脳内で一つの記号の羅列が浮かび上がる
乁( ˙ ω˙乁)