腐成分たっぷりなんだよな、この主人公
ミス投稿したので、頑張ってこっちも更新してみた。
『紡がれる縁〜選ばれし禁忌の恋〜』
男子校である薔薇ノ宮高校を舞台とした、主人公選択型のゲームである。男を選べば通常BLシナリオ、女を選べば男子校で性別がバレない様にドキドキしながらの恋愛シナリオになる。ちなみに女性の場合は、好感度が低い時点で性別バレするとバッドエンドなんだそうだ。
ゲームではそうだが、ここは現実の薔薇ノ宮高校。男の主人公も女の主人公も存在しているし、攻略対象が被っているからどうするんだってとこなんだけど、さすがにハーレムは阻止するという事に建前上なっている。リアルドラマとはいえ彼と彼女にとっては期間限定の恋ではないからな、その後の人生もある。
そんなことはいい、今の俺にとってはどうでもいいことだ。俺は主人公である白水一葉の従兄として、そしてモブとして保険医をやっているんだが……。
「甚六兄ーーー。どう思う?」
「一葉、前もいったけど名前呼びやめてくれないかしら。白金先生って呼んでちょうだい。それに、何にたいしてどう思うよ。」
「え〜〜〜。昔からそうなんだからいいじゃん。それに甚六兄、前はそんな事いわなかったのに。いつの間にか、オネエ言葉だし。前から綺麗だったけどもっと男っぽかったじゃん。やっぱり彼氏のおかげ?」
「そんなのいないわよ。」
俺だって好きで髪を伸ばしていたり、オネエ言葉なわけじゃないんだ。下手な女より綺麗な顔と伸ばした髪で、されたくもないナンパを男からされ、彼女が出来ても「私より綺麗な男性って、やっぱり無理。」って振られることが何回あったか。それもこれも、お前のせいなんだと言ってやりたい。まぁ親父のような医者になりたかったし、高校の保険医も良い経験だからいいんだけど。
「まぁ、隠したいのもわかるけど。まぁいいや、青木×黒土か黒土×青木かってことなんだけど……。」
「えっと……。一葉ちゃん、青木君って同室の青木君よね。そんなことになってるのかしら?」
他のモブの話ではそんな事は起こってないと聞いてる。ましてや男主人公の白土はまだ誰ともくっ付く気配もない。
「いやほら、青木君と黒土先輩ってさぁ仲いいじゃん。良く二人でつるんでるし、部屋にもよく遊びにくるしさ。」
それは生徒会長の黒土には、お前が女だって言ってあるから部屋に様子見に来てるんだろう。青木はありもしない疑いを掛けられてるかもしれないのに、お前は……。
「いくら男子校でもそうそう居ないわよ。一葉ーーーまさか青木君に女ってバレてないでしょうね。」
逆にバレてくれないと話が進まないんだが、どうするかな。
「そこは万全。だって青木君は総受になってもらわなきゃ、同室が女でドキッとかいらない。そこは眼鏡ドSの黒土先輩やヤンキーな紫火君と絡んでもらわないと、それとも赤金君がショタ攻めとか……。うふうふ。あぁでも、あえて黄土先生のオヤジ受けとかもいいなぁ。」
「一葉、授業始まるから教室に戻りなさい。」
頭を抱えたくなった。従妹はどうやら前世の記憶持ちでしかも腐女子だろ、これ。前途多難すぎる、ただでさえBL系は進まないんだ、ただの青春ドラマで終わる事が多い。ほとんど婦女子達の腐った妄想で視聴率がある様なものなんだ。それなのに、恋愛ものでドキドキ出来るはずの「男子校に女の子が入学の学園もの」がただのストーキング話になりそうで怖すぎる。
俺、シンプロン女学院が良かったなぁ。女装だってするよ、喜んで。男ばっかりなんてむさい、俺は恋愛は女としたいんだ。
彼は不憫なやつです。
修正 男ってバレてない→女ってバレてない