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僕の彼女  作者: 密玄
序章 彼女が私に変わる時
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彼女説明書 いち

彼女は自分と向き合ったことは、一度もない。


彼女には意志が欠落している、と思わせる何かがあるからだ。


彼女を形作った型は、片手に収めるには大きすぎていけないが、両手で抱えるには曖昧で物足りなくて駄目だ。


ふわふわして捉えどころのない彼女の心は、周囲の情報と波及した影響から成る偽物。


いつも美人で優等生だと囁かれる彼女は、自分すら解らないのに周りが既に埋め尽くされ固められて、逃げ場を見いだせないでいた。



そんな彼女は、とある感情を手に入れた。


彼女が初めて体験した高揚感、羞恥心、

そして、人に向かう好意。



それは恋と呼ぶには幼くて、小さいけれど、確かに彼女は少女になったのだ―――




彼は薄暗い部屋の中で、机に向かって一心不乱に作業をしている。


書き終えると、一拍おいてから深い溜め息が部屋を満たした。


彼の目の下には隈があり、寝不足と重なる疲労の色が明らかに滲み出ている。



これでは駄目だ。

彼はそう思っていた。



もう少し彼女の内面にまで触れて、彼女の全容が僕以外にも解るようにしなくてはいけない、とも考えていた。



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