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やっとアイの説明が終わった。
長々と説明する人口知能にツッコミをいれたかったが、タイミングが掴めなかった。
大きく息を吸い叫ぶ。
「イタくて、イタくて仕方ないんだけど。(心も)傍観者決め込んでなくてよ、110番するとか、救急車を呼ぶとかやれよ(泣)」
『……‥』
『マスターついさっき言語システムに侵入されました。どんなプログラムを使っているのか、解析できません。とりあえず忙しいので声を掛けないで下さい。』
「んな!? 逃げるつもりか、助けろ、頼む、ホントお願いしまぁぁあす。」
“あれ、通信ぶちった?”
ユキ side
マスクの人が「イタくてイタくて仕方ないんだけど。110番するとか、救急車呼ぶとかやれよ。」と私の方見ないで言っている。
“そ、そうよね。その通りよ。携帯取られたけど人を呼びに行くのはできるものね。”今更ユキは自分がやるべきことを思い出した。 そして、ユキが人を呼びに行こうと駆け出した時、マスクの人が「逃げるつもりか、助けろ、頼む、ホントお願いしまぁぁあす。」と悲痛な叫び声をあげた。 ユキははっと驚く。
助けてくれた命の恩人にお礼の一言も言ってない自分にとても腹がたった。
恩知らずな自分に嫌気がさし、涙が溢れてきた。
一刻も早くマスクの人にお礼を言い、助けを呼ばなくてはいけない。すぐさまその人の元に走っていく。
side out
「すみませんでした。助けて頂いたのに警察の方や救急車呼ぶのは忘れてしまって、本当にすみませんでした。」そう言って深々と頭を下げる女の子。
“あれ、俺の声聞いてた?!”あんな弱音を聞かれたら誰だって、顔を赤くするだろうし、現実から目をそらしたくなるだろう。
俺は男だ。その前にヘタレだ。俺がとった行動は、女の子同様に頭を深々と下げおじぎしてしまった。
“何やってんだ俺!!”穴があるなら喜んで入って行くよ。
アイなら何ていうだろうか多分『自分の事より相手の事を考えてください。』とか言ってくれるだろう。
だから、俺はいかした言葉を飛ばしてやるぜと意気込んでこう言ってやった。
「怪我とかないですか?」
“どこがイカした言葉なんだよ。しかもお辞儀しながらいう俺www”自分の腰の低さに涙が出てきた。
顔を上げるのは、女の子方がはやかった。「あの〜、今救急車を呼ぶので」優しい声色でいたわってくれてる。嬉しくて涙が出て来そうだ。
ここは、男として女の子に心配させては、いけない。
「だ、大丈夫ですよ。ほらこの通り肩だってちゃんと回るし(空元気)あははは。それより…このグローブのボタンを押して下さぁぁい。」
“いつも音声起動にしているからな。アイがいないと電源OFFに出来ないからな。”
「このボタンですね。」
「うん、そうそう。」
反発しないから〈ツンツンモード〉が消えたらしい。そして、無事電源が消えた。
さて、直ぐにグローブを外しマスクを取りますか。
なんだろう。目の前の女の子が‘私気になります。’っていうどこかのヒロインのように目を大きく見開いて、興味津々といった顔で見てくる。
これから、面白くなるんだから(`_´)キリッ