死亡フラグや恋愛フラグなどのほのぼの系*
昼間の残暑が少し弱くなった夕暮れ。
「少し暑いな」といって第ニボタンまで開き、ネクタイを少し緩くする。それでもまだ暑いらしい、今度は手扇であおぎだした。
少年は一人で放送室の機材を何やらいじくっている。最後にコンセントを差し込む。やっと満足のいくようになったのだろう。
ふぅ〜〜〜と長いため息をついて座った。
『お疲れ様です。マスター』と音声を合成したような声が聞こえる。
彼の作った人口知能AIの合成音声だ。
「レンに後で放送室のマイクは直したと伝えておかないとなぁ」
「さてと…帰りますか。」 『蓮さんは、今日生徒会で一緒に帰れないそうです。』
「マジで?! 一緒にマック行こうと思ってたのに」残念そうに少年はしゃべる。
「ん〜じゃいいや、アイ 学校〜家までの最短ルートを頼む」
『ラジャー』
ここで読者の人は疑問を感じるだろう。彼が何者で、どうやって人口知能AIと話しているのか。彼、《霧島冬夜・キリシマトウヤ》はどこにでもいる高校生!?
ちょっとメカが好きで、仕様がない発明が趣味。
アルビノという病気により、髪が白…銀ぽい感じの髪色になっているだけの高校生。
相棒は人口知能AI=アイ
彼は奥歯に仕込んだ超小型送信機を使ってAIに指示している。この送信機は、口を開かなくても歯の動きで言葉を送信している。
耳に付けている超小型受信機で情報を開き、伊達メガネにAIからのデータを見ることができる。
「アイ、本当にこの道からが最短距離なのか?」
彼が今立っている位置は、正門とは逆の裏門に立っている。そこから先は、いかにも何か問題がありそうな薄暗い路地裏が続いている。
『愚問ですね。マスター、私は世界最高の人口知能ですよ。ワタシが“Yes”と答えれば、その答えは絶対“Yes”なのです。』
‘もし、アイが人間なら胸を張って、答えているだろう。’
“つまり‥…通れと…”
「あと…言いたいことがあんだけどよ。」
『え、あ、愛の告白ですか///』
「ちげぇ〜よ!一応オマエ男という設定だからな? あと萌えキャラボイスでその言葉を言うんじゃねぇー。なんか悲しくなるだろうが(泣)」
はぁはぁ(´ヘ`;)疲れた。息を吸い込み、大きく吐く。
いくらか落ち着いたところで
「俺が言いたいのは、このルート通り進んだら住宅を突っ切るじゃねぇか!!」
『マスターならやれる。幸運を祈ってる('◇')ゞ』
もう突っ込む気にもなれない。
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