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プロローグ④

「……まともな水弾が撃てるまで、そこで一人で練習していろ。他の者は授業を終わる」


実技担当の教師が冷酷に言い放ち、生徒たちがぞろぞろと訓練場を後にしていく。


誰もいなくなった広大な訓練場に、エミーだけがポツンと取り残された。


それから数時間が経過し、空は茜色の夕焼けに染まっていた。


第一訓練場を見下ろす校舎の屋上で、ノイは手すりに寄りかかりながら、眼下の光景をじっと見つめていた。


「聖なる大地を潤す青き水よ、白き光を宿す水弾を成せ。我が行く末の障壁を、打ち砕け!」


ズゴォォンッ!!


夕闇の中、何度目かわからない重たい落下音が響く。


エミーの足元はすでに無数のすり鉢状のクレーターでボロボロになっていた。額からは大量の汗が流れ、息は絶え絶えだ。それでも彼女は、涙目になりながら泥だらけの手を再び前へ突き出す。


(……馬鹿正直なやつだ。教科書通りの欠陥プログラムを、あそこまで魔力がすり減るまで忠実に回し続けるとはな)


理数系教員としてのノイの計算では、彼女の魔力残量はすでに限界に近い。


そして次の一回。エミーがふらつきながら詠唱を口にした瞬間、彼女の膝がガクリと折れた。


「あっ……」

魔力切れによる意識の混濁。エミーの小さな体が、硬い地面へと傾く。


「――っ!」

ノイは考えるより先に動いていた。


手すりを蹴り飛び、自身の身体に極小コストの『風のクッション』を展開して屋上から訓練場へと直接飛び降りる。


地面に激突する寸前だったエミーの体を、間一髪で滑り込むようにして抱きとめた。


気絶した彼女の顔は青ざめ、熱を持っていた。

ノイは小さく息を吐くと、迷わず彼女を抱き上げ、誰もいない校舎の保健室へと急いだ。

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