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特務クラス③
ノイはチョークを置き、生徒たちを見渡した。
「魔力出力限界が低いなら、低いなりの魔術式を組めばいい。さあ、さっき教えた最適化の式で、中級魔術を展開してみろ。」
最前列にいたエイダが、恐る恐る両手を前にかざす。
いつもなら初級魔術すら魔力逆流を起こして保健室に運ばれていた彼女だが、ノイに教わった短いコマンドだけを口にした。
「――『風よ、渦巻く壁と成せ。眼前にて、固定せよ。』」
シュゴォォォォッ!!
次の瞬間、エイダの目の前に、彼女自身をすっぽりと覆い隠すほどの強力な竜巻の壁が出現した。
教本通りの、正真正銘の中級魔術クラスの防壁。
エイダは倒れない。頭痛も吐き気もない。彼女は息一つ乱すことなく、自分の両手と目の前の防壁を交互に見つめ、ポカンと口を開けていた。
「う、嘘……あたし、中級魔術を撃てた……? しかも、全然しんどくない!」
「私にもやらせてください! ――『水よ、厚き壁と成せ。眼前にて、固定せよ!』」
「できた……! 俺もできたぞ!!」
教室のあちこちで、歓喜の声が爆発した。
これまで魔法の実技を恐れていた生徒たちが、次々と中級レベルの魔術を安定して展開していく。
才能がないと諦めていた彼らにとって、それはまさに世界がひっくり返るような光景だった。




