オンザベッド①
「一体これは…どういう…」
自分が置かれている状況を受け入れるのには、大分時間がかかりました。
(どうして体が縮んでいるんだ?昨日俺なんかしたっけ?いや、たとえ何か変な薬を飲んでいたとしても、体が縮むわけがない。じゃあ、なぜ?)
こんなことを考えながら歩き回り、私は以下のことを確認しました。
・ここが私の元々居た世界と何も変わらないこと
・私の体が縮んだこと
・今私がいるのは、私の家、私の机の上だということ
そして、もう一つ…
「あれ、なんか書いてあるぞ…」
私が読むことが可能なくらいに、非常に小さな文字で、机にこのような文が書いてありました。
「ソトニ タスケ アル」
なるほど、外に行けば元に戻るのか。と、私はその時そう思いました。
今振り返ってみると、この時の自分の思考は普段の自分の思考とは違ったな、という風に思います。
(で、外に出るためにはどうしたらいいのかなあ…)
私は前方を見渡しました。さっきまでは果てしなく続く地平線だと思い込んでいたこの景色も、小さくなった自分が机の上から見える景色なだけであり、もうちょっと歩けば机のふちに到達できる。そう思い、私の気持ちは大分楽になりました。
しかし、ここでもう一つ疑問が生まれます。
「あれ、外に行くためには一旦床に下りないといけないよな。え、落下死しないか?」
机のふちからふちが見えないほど体が小さくなっていますから、机から床に飛び降りることなど、ビルの屋上から飛び降りるようなことだと思いました。
(なにかいい方法があるはず…)
そう考えた私は、頭の中でこの部屋の構造をイメージしました。そして、私は机のすぐそばにベッドを配置していたのを思い出しました。
(机からベッド、ベッドから床という順番で行けば、机から床のルートで行くよりも安全だ。でも、机からベッドの高さでも、今のこの体の大きさじゃきっと落下死するだろうし…)
ようやく思いついた案が消えかけていた時、とても大きな、ドラゴンのような怪物を目撃しました。
あの怪物の正体は、その時はまだわかりませんでしたが、私がとるべき行動は、すぐにわかりました。
「あいつに運んでもらうしかねえな…」
RPGでいう「最初の戦い」は、スライムではなくラスボスでした。




