にじファン以前に関するデータ
1.二次創作投稿の推移
にじファン以前とは書いたものの、実際のところそれ以前は数量的に把握できない部分が多い。変わった例だとNOSで二次の作品数は分かるものの、なろう全体の作品数が分からない、なんてパターンも見られた。
多数派だったとまではいかないものの、2011年7月の一例を除き、増加量としては二次創作の方が大きかった。
はっきりと言えるものではないが、初期のなろうへの人口流入に関してこの存在は、決して無視できるものではないように思う。
2.時期別の作品数
グラフで表す場合はどうしても定期性が求められると思うのだが、それとは別に重要なタイミングでの数字も挙げておきたい。
ただ(総数)に関しては基本的に同日を選んではいるものの、時刻が同じというわけではなく、おそらく数十作程度の誤差が生じうる。
(2008/10/10 NOS開設)
2008/10/15 3244作
(2010/08/10 にじファン開設)
2010/08/14 14047作(総数78753作、17.84%)
(2012/03/15 二次創作作成禁止作品)
2012/03/11 37702作(総数161204作、23.39%:最多)
↓
2012/03/18 27715作(総数152293作)
(2012/07/04 サービス終了のお知らせ)
2012/07/04朝 30766作(総数169961作)
(2012/07/20 閉鎖)
2012/07/20 31557作(総数170634作)
3.NOS開設前後の変容
古いデータはほとんど残っていないのが問題で、リニューアル以前で利用可能な評価上位作品は以下の2つの時期のものに限られる。
この時期はシステムが根本的に異なる点に注意。毎四半期中に入ったポイントを運営が集計し、1月4月7月10月の頭に更新という形をとっていた。
使えるか懐疑的に思っていたのだが、整理してみるとかなり面白い結果が得られた。携帯向け二次創作検索サイトである、NOSの開設タイミングは2008年10月10日であり、ちょうどこの2つの時期の節目に当たる。
なろうは当初から二次創作が投稿可能であったが、その中でも2006年3月29日に提携を始めた「名探偵コナンノベルズ」の存在は非常に大きい。
NOS開設直近の10月15日時点の二次創作数は3244作だが、16日時点のコナン作品数を見てみると1281作と、実に1/3超を占めていたほどである。
この2つの四半期を比べると、それまでは名探偵コナンが非常に強いサイトだったものが、NOS開設を契機として、他の二次創作が急激に強くなったのが見て取れる。
また2つの時期に共通して言えることとして、この時期はゼロ魔の強さはすでに見られるものの、基本的にオリ主の「異世界転移」という要素がほとんど見られず、「転生」という語に至っては皆無である。(あらすじからの推測ではあるが)
それだけに2009年のデータが丸々使えないというのは非常に痛いのだが、この期間中に異世界転生/転移要素の普及が劇的に進んだことは間違いないだろう。このあたりは理想郷についても目を向ける必要性を感じる。
2008年第四四半期、総合評価上位100作中の17作が二次創作だった。
4.にじファン開設前
ある程度の連続性をもって100作を見れる時期というのはかなり限られる。少し曖昧な部分があるのだが2010年3月中旬頃だと、総合評価上位100作中の3割程度が二次創作だったようだ。
もう完全に見慣れた異世界転生/転移一色といった具合である。「ゼロ魔」「Fate/」は召喚、「恋姫」はトリップと考えると、初期なろうの上位作品が異世界転移一色だった一因として重要に思えてならない。
また転生に関しても2011年2月累計だと100作中8作と、一次創作ではそこまで強くなかったものが、夏には20作近くまで増加した背景として、二次創作で強かった影響性は無視しきれないように思う。
古のなろう二次創作においてSAKATAはランカーだったのか……