男女比に関するアプローチ
(22/01/27)ここに出てくるTS主人公とはいずれも、精神は男性で肉体は女性に、というもの。
今考えると真ん中に差した方が分かりやすいだろうと思われる。
1.累計ランキングに見る主人公の性別構成
その年の6月時点を基準とした。
この範囲には含まれないが、2011年2月累計では、男女比が58:42となっており、2013年頃にかけて急激な男女比崩壊が起きている。
女性比率のピークを仮定するなら、当時最も需要ありと見込まれた、ラブノベ設置の2007年5月が1つのポイント。
象徴的な作品としては、2008年にランキングのトップを占めた「異界の魔術師」から、2009年には「黒い剣の異世界譚」へというのが、女主人公→男主人公という移行を表すようにも感じられる。
その後正直女性ウケはよろしく無さそうに思う、「異世界迷宮で奴隷ハーレムを」が累計首位を占めた2013年あたりは、男性比率のピークじゃなかろうか。
以下、女主人公及びTS主人公の累計上位作品。
2011
10位内 リアデイル、攻撃魔術
20位内 三年目のイリス
2012
10位内 リアデイル
20位内 OnSen
2013
10位内 (なし)
20位内 リアデイル、OnSen
2014
10位内 謙虚
20位内 (なし)
2015
10位内 謙虚
20位内 OnSen
2016
10位内 謙虚、蜘蛛
20位内 (なし)
2017
10位内 謙虚、蜘蛛
20位内 平均値、本好き
2018
10位内 謙虚、蜘蛛
20位内 平均値、本好き
2019
10位内 蜘蛛、謙虚
20位内 平均値、本好き
2020
10位内 平均値、蜘蛛
20位内 本好き、謙虚、薬屋
2021
10位内 蜘蛛、聖女
20位内 本好き、平均値、ダリヤ、薬屋
10年代前半の非男主人公作品として際立った存在だったのが、リアデイルと謙虚になろうか。
10年代後半になると、商業展開の成功がなろう累計にも反映されるといった傾向を強く感じる。
2.年間ランキングに見る主人公の性別構成
こちらはその年の5月を基準とした。
傾向としてはあんまり変わらないかなぁと来つつも、2021年5月までの1ヶ年だと女性比率が特に跳ね上がっている。
基本的に女性向け作品の類は、日間週間月間と短期のランキングでは強いものの、四半期年間と長期のランキングでは弱いという傾向があるように思う。
だが近年ほどその状況は変わりつつあるのだろう。
システム的に考えて、2016年の大規模リニューアルで、ジャンル別ランキングが前面に出てきており、そこで恋愛ジャンルが一番目立つ位置を占めた点が重要かなと予想を立てていたものの、そういうわけでもなかったようだ。
ただその時期に入るとタグ中に「男主人公」が入る率が急増を示しており、日間や週間などで女性向け作品が存在感を増していたことを示唆しているかもしれない。
このあたりは日間ランキング分析が有効だろうけれど、そこまでする元気は無かった。