長期推移で見るなろうの流行2
投稿作品数全体の伸び自体は一次関数的なゆったりとしたものなのに、その内容を見ると結構激しい一面を見せる。
1.転生/転移
なろうは「投稿開始日」でのソートがある点で便利。上のグラフは半年分ごとの検索でヒットした件数を表している。現在では削除や検索除外の作品もそれなりにあるのだろうが、大勢に与える影響はそこまで大きくないのではと思う。
ただまぁ単純に「転生」などで検索しているので、「非転生」「転生ではない」とかも混ざってはいる。「召喚」「召還」「迷い込み」「トリップ」は同時に使われる場合もあるので、被りは相当な数が存在するはず。
2010年前半期の急増が印象的。とはいえ基本的に2010年いっぱいまではそこまで件数が多くないまま推移し、2011年前半期から急激な傾斜を見せていく。これは2010年12月末に、ランキングが設置された影響が強いかと思う。受ける要素が明確に視覚化され、「テンプレ」の再生産が強まっていく起点の時期と見るべきか。
次いで目を引くのが2013年後半期からの更なる傾きの強まりだろうか。転生の異常な伸びと、召喚の増加が見られていく。時期的に言えば無職転生の累計首位奪取が2013年10月で、召喚についてはありふれの連載開始が2013年11月あたりが重要だろうか。
2.その他の要素
こちらも上と同様、2010年まではそこまで多くないまま推移し、それ以降劇的に伸びていく。VRは累計上位にいくつも顔を出すほどに突出した作品を抱えていたが、流石に全体としての数はそこまでではない。
この中で「ゲーム」は特に問題が大きい。「ゲーム的」「ゲームみたいな」という作品が普通に入ってきているだろうし、中にはあらすじで「ゲームが趣味」みたく、単なる主人公の紹介といったパターンまである。
何というか全体的に毎年単純増加といった傾向が強く、「○○」が起点になっただろう、みたいなことは言いにくい印象。