長期推移で見るなろうの流行
語ろうにも2010年代後半をあんまり詳しくない問題。
1.累計100位内作品に見るなろうの作風変容
累計ランキングの何が良いかと言えば、連続性が非常に高いことだ。以前のまとめでも示したように、2014年以降はほぼ毎月というレベルでデータが残されており、6月とは限定されるが2011年と古くから毎年同じ月のデータで比較できるというのは素晴らしい。
ただ一方で流行に対してはややというか、かなり鈍感な所も見られる。10年代前半まではそうでもないのだが、後半になると必要ポイントが膨大に過ぎ、そうそう累計ランキングが変わることもない。
それでも非「異世界転生/転移」のファンタジー系作品の伸びが著しい点は言えるかもしれないが、それも下を見ていくと大分印象が変わるかもしれない。
2.年間50位内作品に見るなろうの作風変容
年間ランキングで見ると、「2017年6月」までの1ヶ年で劇的な変化、そしてそれ以後極端に「異世界転生/転移」が後退していく姿が見て取れる。というか最早雑な「ファンタジー」という括りでは無く、この中で区分しなければいけない気がするほどなのだが、私事としてこの時期の作品を分類しようにも手に余るのが問題だ。この背景にあった事情については下で触れる。
弱点としては年間ランキングができたのは2013年6月とやや遅く、それ以前に関しては分析不能な点。また累計ランキングと比べると連続性に難がある点も無視できない。表中で2019年だけ5月になっているあたりは結構な問題点と言える。
3.四半期25位内作品に見るなろうの激動時期
この変化が起きたのは「異世界転生/転移」が「登録必須キーワード」として設定され、ランキングページから除外されたことによるものだろう。この時期を境にしてこれらの単語を含む作品を探す場合には、わざわざ「異世界転生/転移ランキング」を開くという、余計な手間が必要になったわけだ。
変化は劇的に現れる。登録必須キーワード化以前には四半期ランキングの上位25作中22作を占めていたこれらの作品は、9か月後には4作までその数を減らした。