羊の毛刈り
ここはニユージーランド。
人より羊の多い国。
とある牧場、羊達が放牧されている。
「牧草が美味しいわー。」
羊の『メリー』が牧草を食べてぃます。
「なぁメリー、明日毛刈りの日じゃなかったか? 」
羊の『メリーノ』が聞いてきた。
「うん、オジサンが言ってたよ。」
メリーは頷く。
「明日、雨みたいだよ…。」
メリーノは暗くなりながら話す。
「じゃあ毛刈りは延期だな。」
メリーは笑顔で言った。
「なんで?」
メリーノは首を傾げる。
「僕達の毛が湿気るからさ。」
メリーノは笑顔になり。
「良かった、毛が無いと寒いんだよね。」
メリーは頷く。
「わかるわかる!春だもんな。」
メリーノは去って行った。
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次の日、メリーノの言った通りの雨だった。
そして、1週間が過ぎた。
4月なのに夏のような暑さになったある日。
「さあ、毛刈りをするぞ!」
牧場のオジサンが狭まった柵の中で羊を待っている。
「ワンワン!(柵に入れ!)」
犬が吠え、羊を柵に追い込む。
「毛刈りヤダよー!」
メリーノは柵の外へ向かおうとする。
「ワンワン!(外へ行くな!)」
犬がメリーノの前に立ち塞がる。
「ヤダヤダ!」
メリーノは犬に立ち塞がれ、後退りする。
ドンドン柵に押し込まれ羊達は毛を刈られていく。
(バリバリバリバリ!)
羊毛がオジサンの後ろで山のように積み上がる。
「次は僕か…。」
メリーがオジサンの前に来る。
(バリバリバリ!)
メリーの毛が刈られ素肌が剥き出しだ。
「スースーする。」
メリーは小屋に走っていく。
メリーノは最後まで粘るが、犬にオジサンの前に追い込まれた。
「さあ、お前が最後だ!」
(バリバリバリ!)
「えーん!寒いよー!」
メリーノは毛を刈られて体を震わせる。
「今年も沢山の羊毛が取れた。」
オジサンは嬉しそうに倉庫に向かって行った。
メリーノが小屋に戻ると。
「お疲れさん。」
メリーが話しかけてくる。
「最後まで粘ったのに。」
メリーノは踞る。
「もう来年まで無いんだ、毛が生えるのを待とう。」
メリーは、メリーノを元気付けた。
§おしまい§