世界観・メインキャラクター紹介
本作品「バンドー」は、連載5回、文字数10万字程の文章を用いて、ようやくメインキャラクターが揃うという展開となりました。サブタイトルをキャラクター名とリンクさせていた為、そのキャラクターが登場するまで文章が続き、一話一話がやたら長いと言う印象を持たれた方も多いかと思われます。
ここでは、物語を読むかどうかを決める前にランダムに作品の雰囲気を確認してみたい方や、初めから読んでくれた方が遡って過去回を見直さずに済む様に、世界観やメインキャラクターの設定をまとめさせていただきました。
(これらの内容は、全て1話から5話までに語られています。既読して下さっている方は確認程度にご利用下さい)
★世界観
アース・ワン・ネイション・プロジェクト(EONP)……未曾有の同時多発的自然災害により、甚大な被害を受けた世界各国をひとつの国家に統一し、自然との共生共存、無駄な開発の抑制、武力の縮小を掲げた統一国家政策。本部はロシア地域、公用語は英語、通貨単位名称はCP。
また、先の大災害により、アメリカ、カナダ、日本、韓国、北朝鮮は廃墟を残して地図上から姿を消している。
剣術について……EONP施行により、銃器の所持と使用が軍と警察に限定された為、反体制テロ的な犯罪が激減する一方、身近な地域での略奪や暴行といった犯罪は増加した。庶民は自らの護身の為にヨーロッパ伝統の剣術を復活させ、それに伴うビジネスとして剣術ショップ、剣術学校、賞金稼ぎの概念が誕生した。
魔法について……自然との共生共存を掲げ、無駄な開発を控えて自然環境保護に努めたEONPの成果か、自らの能力と自然の力を融合出来る世代、動物や植物と通じ会う世代が徐々に台頭し始めた。彼等は農業や漁業等で重用されていたが、更なるビジネスの匂いを嗅ぎ付けた資本家によって魔法学校が設立される。しかし、魔法はあくまでも自然との対話から自然の力を利用するだけであり、兵器や怪物を召喚する様な力はない。風、水、炎、土や岩等の地上物を操る魔法が基本で、最も高度な魔法・回復魔法は、空気の分子構造を操作して水を生む、酸素濃度を上げて怪我の回復を早めるといったものである。
★メインキャラクター
レイジ・バンドー……2074年4月5日、ニュージーランド・カンタベリー地方、カイアポイ生まれの剣士、時に格闘家。日系移民の祖父が設立した農場「バンドーファーム」の第3世代で、人生経験の蓄積と幼馴染みの捜索を目的にヨーロッパへ渡り、バスジャック犯を撃退して賞金を貰った事をきっかけに、賞金稼ぎの剣士となる。自然を愛し、自然からも愛される素朴な性格だが、祖母から受け継いだ格闘技の心得もある。家族構成は父・母・兄・祖父・祖母。
ケン・ロドリゲス・シルバ……2076年5月1日、ニュージーランド・カンタベリー地方、カイアポイ生まれの格闘家。ワイン農家「シルバセラー」の創業者であるブラジル系の父、日系の母との間に生まれ育ったバンドーの幼馴染みだったが、両親の事故死を受けて軍人の養子となりロシアへ。両親の仇伐ちに拘って軍を除隊し、承認を受けるまでのアルバイトで賞金稼ぎを始めた際にバンドーと再会する。軍人として将来を嘱望されていただけに、格闘や武器の扱いに長けている。性格的には真面目で堅物。家族構成は義父・義母。
マーガレット・クレア……2075年9月24日、ブルガリア・ソフィア生まれの剣士。東欧の名門「クレア財団」の長女として生まれ育つ。財団としての役目を終えつつある実家からの独立を許され、ヨーロッパ有数の女剣士に成長する。性格的には明るく社交的、かつ世話好きで、女性や子どもの為の剣術道場を開く事が夢。女性蔑視やセクハラとは無縁なバンドー達に力を貸す事になる。家族構成は父・母・妹。
ティム・ハインツ……2075年2月16日、チェコ・プラハ生まれの剣士。両親とともにドイツに移住するも、父親の死、母親の闘病、移民差別を経験し孤独な剣士の道へ。最強剣士以外の目標が無く、性格と言葉にやや毒があるが、厳しさと警戒心故の武装であり、実際には人情と正義に厚い熱血漢。クレアとは剣術学校時代からの腐れ縁。家族構成は母。
ジェシー・リン……2075年12月30日、フランス・パリ生まれの魔導士、本職は図書館司書。中国から料理修行に来た父と、アイルランドから成功を夢見てパリに来たモデルの母との間に生まれる。読書好きが高じて魔法に興味を持ち、魔法の恐ろしさを知った後は図書館司書として地道な暮らしをしていた。性格は優しく穏やかだが、喜怒哀楽はかなり表に出る。家族構成は父・母・兄。
アニマルポリス……ヨーロッパ限定の、半官半民による野性動物保護警察官。観光客や子ども、マスコミへのアピール目的もあり、ド派手な車と衣装、若い女性を採用している。バンドーが知り合ったのは日系とポルトガル系のハーフ、メグミ・オリベイラと、旧アメリカ系のイタリア人で芸能人志望のシンディ・ファケッティの二人。
フクちゃん……パリでアニマルポリスに保護された珍種のフクロウ。背中に白い光沢のある謎の物体が埋まっており、バンドーに懐いた事から行動をともにする。魔導士フェイとの対決では、その白い物体から光線の様なものを出してとどめを刺しており、普通の動物には無い、何らかの能力を持つ事が確認されている。