合宿当日
マーク「本日より、魔剣部合宿を開始しまーすっ!!」
バスの中でマークが声を張り上げて言う。
無論、そんなこと聞いている部員はほとんど居なく、皆和気あいあいとお菓子を食べたり、友人と話していたりした。
マークはみんなが聞いていないことに気づき、少し呆れた感じでベストの隣の席に座った。
ベスト「あいさつ、あれだけでいいのか?」
マーク「ああ、みんな浮かれてて聞いてないしね(笑)」
ベスト「たしかにな、でもあの人だけは真剣だな」
ベストは目線をモクレンの方にずらす
マーク「彼は本気だよ。もしかしたら区大会優勝...いやその上も狙えるかも...」
ベスト「ところでその...波動格闘部ってのはなんなんだ?」
マーク「あー、説明してなかったね。 波格部って呼ばれているんだけど、波格部は魔剣部のライバルなんだ。違うスポーツなんだけど、とても珍しく試合できるんだ」
ベスト(現実で言う柔道と剣道みたいなものか...?)
マーク「それで、波格部は波動を使えるんだ。 魔剣部は魔導だろ? 波動ってのは衝撃波を可視化したもので、当たると超痛い」
ベスト「どうやって試合すんだ? ルールが違うんだろ?」
マーク「まず魔道剣術の勝ち方は相手の道着に剣を触れさすこと。そして波道格闘術の勝ち方は相手をダウンさせることなんだ」
ベスト「まあ、そのままでやったら圧倒的に波格部が不利だな」
マーク「そうだろ? だからルールをちょっと変えて、どちらかが魔力、波動を使い果たしたら負けにしたんだ」
ベスト「なるほどな...。相手にいかに最低限の力で魔力を使わせるかが勝負のカギになってくるんだな!」
マーク「お、おお...。理解が早くて助かるよ、ベスト!」
ベスト「ちなみに魔力とかを使い果たすまでにどれくらいかかるんだ?」
マーク「うーん、区大会優勝レベルだとフルで使って30分持つか...ってところだね」
ベスト「そ、そうなのか...。じゃあ長期戦になるかもな...」




