寮員
ベスト(えっと....ここが308号室か...?)
ベストは大きく「308」と書いてある扉の前でつっ立っていた。
「ちょ、ちょっと退いてくれませんかね...」
ベストは後ろから突然話しかけられた。
声のもとを見ると、ベストよりひとまわり小さいちぢれ毛のメガネ少年がいた。
ベスト「え、えっと...すいません。ここが308号室ですか?」
「なにを言っているんですか、そこに大きく書いてあるでしょう」
彼は憎たらしい口調で淡々と言う。
ベスト「で、ですよね...僕、ここに住むことになりました」
「な、なんだって! み、みんなに紹介しなくては!」
彼は慌てて部屋に駆け込む。
「は、入って! ちなみに僕はベクター!」
ベスト「あ、よろしくベクター!」
ベクターに連れられ、308号室に入ったベストの目の前には、奇妙な光景が広がっていた。
見るからに怪力で、頭が悪そうなやつ、一見まともそうだがやっぱりイカれてそうなやつ、ハシビロコウみたいなやつ。
第一声は、頭が悪そうなやつが放った。
「お前はん、誰や?」
ベクター「み、みんな! この人は...名前なんだっけ?」
ベスト「リ...、ベストです!」
ベクター「べ、ベスト! これからこの部屋に入るそうなんだ!」
「おおそうかい! じゃあ俺らのことも紹介してくれや!」
ベクター「えっと...今喋ってた子が『ドシロー』、目が血走っているまともそうな子が『マイヴェス』、寡黙そうなハシビロコウが『ネグロス』!」
ベスト「あ、ありがとう...」
ドシロー「おう! これからよろしくな!」
マイヴェス「よろしく...」
ネグロス「....」
ベスト(あんまり仲良くなりたくないメンバーだな...)
ベクター「それで、ベスト。クラブは入った?」
ベスト「クラブは...まだだよ」
ベクター「そっか! じゃあ2日後のクラブ祭で決めるの?」
ベスト「クラブ祭? 文化祭のことか?」
ベクター「んまぁ...。クラブ祭の数ヶ月後に本番の文化祭があるね」
ベスト「なるほど...じゃあクラブ祭と文化祭は別物なのか?」
ベクター「まぁそうだね。多分クラブ祭でクラブを決めないと成績に反映されないと思うよ」
ベスト「ま、まじか...。 今知れてよかったー」




