トリの中身(2)
ベル「ほんで、どゆこっちゃ?」
黒虎「お前のその独特の喋り方。なんなんだよ?」
ベル「これか? ワイの故郷の方言や」
黒虎「俺が知る限り、そこは滅びたよな?」
ベル「...なんのことや? まず、お前さんはワイの故郷を知らんだろ?」
黒虎「ウララ村。そこだろ?」
ベル「...やっぱりかい。黒虎」
黒虎「ふっ、お前は元ギーシャ大幹部『炎殺しのムート』だろ?」
ベル「へへへ、なんや、しっとたんか...」
黒虎「まさか、こんなところで、しかもこんな姿になってるとはな...」
ベル「お前はうまくやっとんか?」
黒虎「今は俺の質問に答えろ」
ベル「現役時代はびびっとった癖にようぬかすわ」
黒虎「どうしてそんな姿になった?」
ベル「まあ、こんなもん嘘ついたところでしゃあないな。俺がギーシャを脱退し、自害しようとしてた時...」
黒虎「ちょっと待て、自害ってどういうことだ?」
ベル「質問が多いな。お前の師匠兼大幹部『炎虎』を殺し、組織の偉いやつらから目ぇ付けられてな、そんでもうダメやったんや...」
黒虎「.....。 それでどうしてこうなる」
ベル「お前は『鳥獣の王』っちゅーのは聞いたことあるか?」
黒虎「伝説かなんかのやつだろ? 名前くらいは聞いたことあるが...」
ベル「そいつが、ワイを魔術で束縛してな...。そしてワイは気絶。気付いたらこの町にのびてたんや」
黒虎「...? なんでそいつが鳥獣の王と分かるんだ?」
ベル「あいつは信じられないほどの魔力を持っていた。そして魔術で語りかけてきたんだ...」
黒虎「...?」
ベル「我は鳥獣の王だとかなんとか...。あいつはやばい。ズースなんかと比べ物にならない魔力を持ってたんや」
黒虎「ズース!? ズース・クレアストロのことか?!」
ベル「ああ。ギーシャ最高責任者「ズース・クレアストロ」のことや」




