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家畜の成り上がり譚 〜異世界で俺は強くなる〜  作者: らっぺん
2章 ブタの町 レオパル編
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出会い

青年は三匹の豚を買い、そそくさと店を出た。

20分くらいたっただろうか。青年の家らしきアパートが見えてきた。

「よし、着いたぞ。ここがお前らの新しい家だった。」


青年の家は、豪華とはとても言えず、質素な作りだった。


「オンボロじゃねえか!これならさっきの金持ちのオバハンにかってもらったほうがよかったわ!」

カジナは文句をぶつぶつと言っている

「やめろよカジナ。さっきのババアは俺らを侮辱したんだぞ?」

「そうよ。あんな人に飼われるなんて嫌よ」

カジナは、ふてくされた顔で「はいはい」と言った。


そうこうしている間に、青年の部屋についた。

どうやら、独り暮らしのようだった。


青年は三匹に名前もつけずに、そのまま寝てしまった。


次の日の朝、三匹でこれからどうするか話し合った。

「なあ、これからどうすんだ?」

「脱走するに決まってんだろ」

「でもそれじゃ可哀想じゃない? せっかくお金だして買ってくれたのよ?」

「じゃあなんだよ。ずっとここにいるのか?」

「それは......」


話し合った結果、とりあえず様子見ということになった。

青年の俺らに対する扱いがひどかったら即脱走。

しっかり愛情があったらそれはそれでまた考える。


ちょうど話し合いが終わった頃、青年が隣の寝室から起きてきた。

「今日のエサだ。たっぷり食え」

そう言い、豚小屋でのエサとは比べ物にならないくらい美味しそうなものを持ってきた。


「うまそう!!」


俺はそれだけ言い、無我夢中にエサを食った。

隣の二匹も同じ様子だった。


その日の夜のエサも、同じく高いエサだった。

俺は疑問に思った。

「なんでこんなに優しくするのだろう...。」

青年は、金持ちではない。家や服装でわかる。

しかも、彼の食べる飯は、とても質素で安っぽい。


もし俺がこの状況だったら、迷わず自分の飯の質を優先する。ペットなんかその後だ。


すると突然、彼が語りかけてきた。

「ふふ、なんでこんなに優しくするか疑問だって?」


「!?」


「なんだか、君らの考えていることは分かるんだ。いや考えていることじゃなくて、言ってることかな?」


どういうことだ...?


「さっきの脱走の計画も聞いてたよ」


「!!」


その話を聞いていたカジナが和って入ってきた。

「おい、なんで豚の考えていることがわかるんだよ」

「知らないけど」

「お前、名前は?」

「俺?タカセ レイ」

「なあ、レイ。豚と話せるお前なら信じてくれると思うが、非現実的な話をしていいか?」

どうやらカジナは、俺らが人間だったことを言うらしい。


「俺らにもともと、人間だったんだ」

カジナは豚なりの真顔でそういう。


レイは少し驚いた顔をしていたが、思ったほどの反応はしなかった。

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