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家畜の成り上がり譚 〜異世界で俺は強くなる〜  作者: らっぺん
1章 家畜に転生
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外の世界

俺らは外の世界に出た。

周りに町のような場所はなく、ただただ野原が広がっていた。


「すみません」

後ろから声がした。


後ろを見ると、タックルをせずについてきた豚だった。

「お前、計画理解してたか?」

カジナが問いかける。すると

「私も人間だったんです」

彼女はそういった。

俺は驚いた。カジナ以外にも人間だったやつがいるなんて...


彼女は人間だったころの記憶を割と鮮明に覚えているらしく、日本人で、名前は「ココミ」だそう。

ココミはトラックに引かれたあと、目が覚めたら豚に生まれ変わっていたらしい。


ということは...

俺とカジナも死んだということになる。

俺はショックだった。豚に生まれ変わってから、人間に戻ることだけを希望にしてきたが、死んだあとだったらもう戻るもなにもないのではないか。そういう不安がこみ上げてくる。

カジナも同じような表情をしていた。

しかし、カジナは黙ったまま歩き始めた。


「なあ、カジナ。どこに向かっているんだ?」

そう聞いてもカジナは答えなかった。


30分ほど歩いただろうか。

町が見えてきた。

その町は豚をペットとして扱っている珍しい町だった。

三匹は町に入った途端捕獲された。

そして、小さなかごに入れられ暗闇のなか放置された。

長い時間暗闇のなかにいた。

突然かごにかけられていた布が剥がされ、光が入ってきた。


「まぶしっ」

そういいながら目を開けると、小綺麗なペットショップに三人は運ばれていた。


「ペットショップ!?」

「ああ、そのようだな。俺らは人間にかわれるのか...?」


不安の表情を浮かべる三匹。

そこに少し金持ちそうな女が入ってきた。

「なるほどぉ。みんなかわいい豚ちゃんですねえ。あっ、この子かわい~。あっ、この子もかわい~。」

そう言いながらその女は三匹の前で止まった。

「なにこの三匹。かわいくない!」

そういい放ち、どこかにいってしまった。


それを見ていた青年が、三匹の前で

「お前らは充分かわいいぞ」といい、三匹のかごをレジに持っていった。



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