王のもとへ
カジナ「おいー、あとどれくらいだー」
カジナは体力がないのだろう。まだ三分も歩いていない。
ココミ「まだまだよ! まだ全然歩いてないじゃない」
ベスト「でもなんでこの町はバイク禁止なんだ...」
カジナ「バイクが使えればすぐ着くのにな」
ゼロ「まあ基本的に道が狭いからね、仕方ないよ」
結局、城に着くまでに一時間ほど歩いた
カジナ「結構遠かったな。ところでなんで城に来たんだ?」
カジナはいつも肝心な所の話を聞いていない。しかも口調はクールだが疲労で足がぐらついている。ダサい。
ベスト「聞いてなかったのか、王様なら人間に戻る薬を知っているかもしれないだろ。知らなくても手がかりぐらいはあるかも...」
ココミ「ちなみに王様はギーシャのこと知っているのかしら」
ゼロ「いや、知らないと思うよ」
ベスト「なんでそう思うんだ?」
ゼロ「世界政府はギーシャの存在を否定しているんだ。きっと面倒だからだよ。それが後々の悲劇を招くことを知らずに...」
カジナ「でも王様なら知っているんじゃないか?」
ゼロ「いや、この大陸の王にギーシャのこと知られたら面倒なことが起きるかもしれないから言っていないよ。多分」
ココミ「さすが世界政府の犬ね!」
ゼロ「もうちょっと良い言い方ないのかな...」
ベスト「雑談はこれくらいにして、行こうぜ」
四人(一人と三匹)はハーグラ城に入った。
王「なんだ君たちは、どこから入ってきた」
ベスト「いや、普通に入り口からですけど...」
王「え、警備とかいなかったの?」
ベスト「はい。ここに来るまで誰にも会いませんでした」
王「まじかよ。みんなサボりやがって...王様なめんなこのやろう!」
ココミ「と、ところで王様、私たち人間に戻りたいんですけど、なんか知りませんか?」
王「君たち人間に戻りたいんだ...。戻るってことは人間だったんだね。通りで喋るわけだ」
ベスト「薬とかないんですかね...」
王「ないね...すまない」
ベスト「いえ、大丈夫です。あと、ギーシャっていう反世界政府組織知ってますか?」
王「...知、知らないよ? 全然知らない」
ベスト「そう言う組織があるんです。だから王様に認知しておいてほしいなー、と思いまして」
王「なるほど。ありがとうね」
ベスト「安心してください。僕たちがギーシャを倒しますんで」
王「ふーん。そっか。頑張ってね。そんじゃー」
ベスト「さようなら」
王「...おい、ベルト・ムート」
王がそう言うと、後ろにあった液晶に何者かが写し出された。
その顔は暗くてよく見えない
ベルト・ムート「言いたいことはわかる。安心しろあいつらにはできっこないことだ。ギーシャを倒そうなんざ」
王「そ、そうだよな。なにせあの神人とやらが何人かいるんだろ? あのサンクってやつと同じ種類の...」
ベルト・ムート「ああ。そうだ。あいつら、多分この街で死ぬぜ」
王「フフフ。この城の地下にギーシャがあるなんて、あいつらに分かるわけがないからな...フッフッフw」
ちなみにベスト達は、結構な近距離でこの会話を聞いていた。




