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家畜の成り上がり譚 〜異世界で俺は強くなる〜  作者: らっぺん
3章 トリの住む町 チャンヌ編
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古ぼけた時計

ノトリノの研究所「クライアントα」には、興味深いものが沢山あった。


カジナ「なあ、そう言えば、名前の由来ってなんだ?」


ココミ「確かに。あっちはβでこっちはαだったけど、なにか意味はあるのかしら?」


ノトリノ「ああ...。普通に順番だよ。こっちが先にできたからα(アルファ)あっちが後にできたからβ(ベータ)ってだけだ」


俺「え、じゃあノトリノさんの方が先輩なんですか?」


ノトリノ「いや、俺は二代目だ。先代はおかしな人だったよ。でもその不思議な魅力に俺は釣られたんだけどな」


そんな話をしていると、不思議な分厚い本を見つけた。


俺「この本はなんですか?」


ノトリノ「それは...。確か先代の本だな。読んでみてもよく分からないけど、一応捨ててないだけだ」


サンク「ちなみに、その先代は今どこに?」


ノトリノ「もうひとつの施設、〈クライアントΩ〉にいる。まあ何してるかはわからないがな」


サンク「ちなみに名前はなんだ?」


ノトリノ「質問が多いな。なんでそんなこと聞きたがる」


サンク「いや...。やっぱりいい。おいベスト、その本を見せてくれ」


サンクは不自然に話題を変え、俺が持っている本を取り上げた。


サンク「...」


サンクはさっきと雰囲気が変わった。


カジナ「おい、なんか書いてあるのか?」


サンク「おいおっさん。コレ、どういうことだ?」


ノトリノ「おいおい、まだおっさんって年頃じゃないぞ...。どれ見せてみろ」


今気づいたが、ノトリノの目の下にはくまがある。何日も寝てなさそうだ。


サンク「おい、こんなの研究者なら読めるはずだぞ」


ノトリノ「お前まさか亜人か?」


サンク「いや、獣人だ」


ノトリノ「なに? 獣人だと?」


獣人とは? あの本にはなにが書いていたのか。

話についていけない。


ノトリノ「お前、名前なんだ」


サンク「サンクだ」


ノトリノ「やっぱりな。ちょっと着いてこい」


そう言い、サンクとノトリノは奥の部屋に行った。

しかし、すぐに戻ってきた。

ノトリノの手には古い時計があった。


ノトリノ「お前ならわかるだろう。お前の本当の父親の時計だ」


サンク「いや..どっちかと言うと、偽物の父だな」


まじで話に着いていけない


サンク「オレの本当の父は俺が殺した」


ノトリノ「...! お前がそこまで力を付けていたとはな」


サンク「......」


ノトリノ「お前は、俺と先代の最高傑作の子供だ。俺と先代はお前の父を作り出した時、喜びが止まらなかった。なのにお前の父ときたら...。」


サンク「施設を抜け出し、研究員を何人も殺した。だろ?」


ノトリノ「ケッ、父親から聞いてんのか。まあいい、さっきの本に書いてあったお前の父の作り方。よくそれがわかったな」


サンク「それはもうとっくに学校で教わっている」


ノトリノ「学校? それはどこのだ」


サンク「ギーシャのだ」


ノトリノ「ギーシャか。そう言えばそうだったな。お前の父親はあそこの幹部だったな」


サンク「もうこの話はいい。時計の話を聞かせろ」


ノトリノとサンクはずっと会話をしている。

俺たちを差し置いて。

どうやら、サンクが倒した父は、ノトリノとその先代が作り出したものらしい。


ノトリノ「この時計はな、お前とお前の父の体内に埋め込まれている。お前も見たことはあるだろう。父親の体内時計を」


サンク「ああ。だが、オレのにはない」


ノトリノ「それが、あるんだよ。この時計はお前の〈なにか〉のタイムリミットだ。つまりこの時計の針が12:00を指したとき、お前の体になにかが起こる」


サンク「そんなの聞いたことがない。まずオレの体にはそんな時計なんてない」


ノトリノ「いや。体内時計だぞ? 今は体内にあるんだ。そのうち外側に出てくる」


サンク「...」


ノトリノ「信じないならそれでいい。いずれ分かるからな。お前は普通の人間と違えば、亜人とも違う。特別な存在なんだ」


サンク「特別と言えば聞こえはいいがな」


ノトリノ「そうネガティブになるな。お前は父親が悪に染まったにもかかわらず、善の道を貫いた。これからも正しい道を行け」


サンク「正しい道なんて誰にもわからない。俺はそんな道なんてないと思っている」


ノトリノ「まあ考え方は人それぞれだ。あと俺らだけで話していると、この豚達が可哀想だからな」


カジナ「そうだぞ。とても退屈だった」


カジナはそういいあくびをする。


ノトリノ「よし、じゃあお前ら、役場に言ったらどうだ?」


俺「役場?」


ノトリノ「ああ、とても不思議なものがいるぞ! なにか冒険の手がかりになるかもな...」

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作者Twitter https://twitter.com/Rappen_77?s=09
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