超人化(2)
ゼクロ(まずい....吸い込まれる....ッ! だが所詮掃除機...いずれ抜け出ることが出来る...!)
ベスト「気体...だから厄介だな....! なんとかして個体とかにしなくちゃ...!」
ゲルフィ「俺には冷やす能力はない...なにか...他の方法で」
ベスト「あ、圧だ! 熱波動の要領で!」
ゲルフィ「無茶だ! あれはメークスの才能だ! 見よう見まねでできる技じゃない!」
ベスト「なにもかんぺきじゃなくていいんだよ....そこを神通力で補えば....!」
ゲルフィ(冷やす魔術は使えない....味方にその能力を持つものもいないだろう...)
ベスト「熱波動!!!」
ベストはゼクロのほうに熱波動の球を撃つ
ゼクロ「まずいッ! ......あァ?」
ゼクロはニヤリと笑う
ゼクロ「フグ....クフフフフ....フハハハハッ! 驚かせてくれたなぁ、随分と...エェ?」
ベスト「くそっ!」
ゼクロ「超人化して攻撃されっぱなしだァ、受けてもらうぜ」
ゼクロは自分の体から出した毒ガスをベストの呼吸器に入れる
ゲルフィ「まずい...超人化し、ガスが自分の体の一部になったおかげでガスを完全にコントロールできるようになってやがる...! 恐らくあの様子だと致死量も上がっている....ッ!」
ベスト「ガホッ! ゲホッ!」
ベストは白目を剥いている
ゲルフィ「まずい! バキューム!」
ゼクロ「この超人にはよォ...同じ手は2度も効かねぇんだ...覚えときな」
ゲルフィ「クッ! このままでは!」
ゲルフィの腕にはもうガス状のゼクロ吸い取られない
ゼクロ(...このまま....このまま行けば俺がッ、俺が勝てるッ! 正義になどならなくても! 勝てればいいッ!!)
ゼクロは既に目的を失っていた。
ゼクロの「正義」になるための計画は「正義」に敗北してから成功するものだったが、ゼクロはそれよりも勝利することを考えていた。
すなわち、正義にはなれなかった。
それよりも「超人化」に重きをおいて、もう後に引き返せぬところまで来ていた。
....ゼクロの本当の目的が達成するためには、ベストがゼクロを倒すという方法しかないという。
なんとも皮肉な話であった。




