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家畜の成り上がり譚 〜異世界で俺は強くなる〜  作者: らっぺん
7章 ゴーストタウン S.Z
248/288

追い込み(2)

ゼクロは危機感を覚えていた。


ゲルフィという強敵を前にして、ゲルフィに手が届かない。


ベストがただただ邪魔だった。


ゼクロ「フフフフフ...。ハデな技使ってんなァ...」


ベスト「無駄なあがきはよせ」


ゼクロ「....俺はもう"覚悟"したぜ...死ぬ覚悟をなァ」


ベスト「この俺に殺される覚悟をか?」


ゼクロ「....いや違う。死ぬ覚悟なんざ数年前からしてた...」


ゲルフィ「ゼクロ...お前はヒーローになりたかった」


ゼクロ「...は?」


ゼクロの額には玉のような汗が流れる


ゲルフィ「お前は...ずっとヒーローになりたかったが、その能力は明らかにヴィラン向きだった」


ゼクロ「......」


ゲルフィ「もう...やめにしないか、死ぬ覚悟ができているやつなんざこの世には存在しない」


ゼクロ「ク........」


ベスト「ゲルフィさん、ダメだ、俺には分かります。こいつは絶対に改心はしない」


ゲルフィ「....難しいことかもしれないが、俺はコイツをずっと見てきた....無理ではないと思う...」


そう言うゲルフィの目は情けなかった


ベスト「ゲルフィさん、"情"で動いちゃダメだ」


ゲルフィ「情じゃない...情けだ」


ベスト「ダメです。今ここで、決着をつけます」


ゼクロ「ハア...ハア...。受けて立とう...こっちだって負けて呑気に生きていくのはごめんなんでなァ...」


ゼクロはふらふらと立ち上がる


ゲルフィ「ベストやめろ!」


ベスト「死の覚悟はできてんだろ...? "爆斬"」


ベストの剣先がゼクロに当たった瞬間爆発する


ゼクロ「グッ!」


ベスト「おっと、今のは神通力のおかげじゃあないぜ...ただ爆薬を塗らせてもらった、カツラさんのな」


ゲルフィ「もうやめろ...充分だ...」


ベスト「そう言いながら止めないあなたもあなたです。あなたは迷ってるんでしょう?」


ゲルフィ「.....」


ゲルフィの目が情けない目から決意した目に変わった


ゲルフィ「....昔から、迷うと情けなくなるんだ....」


ベスト「決意ができましたか?」


ゲルフィ「敵に情けはかけない...」


ベスト「分かりました。いきましょう」




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作者Twitter https://twitter.com/Rappen_77?s=09
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