亡霊
「なあ、あとどれくらいだ?」
ふとしたようにカジナがサンクに問う。
ちなみにまだ10分ほどしか経っていない
「まだまだだ。このバイクじゃ一時間以上はかかるぞ」
俺「そういや、ルシャがこっちに矢を打ってきた時、じいさんなんか言ってたよな」
ココミ「確か、呪文みたいなやつね」
カツラ「ああ、それか。それは亜人と意志を伝えあうための呪文じゃな」
そんな話をしていると、遠く離れたところになにかが見えた。
カジナ「なあ、なんかあそこに見えないか?」
カジナはそう言いながら東の方向を指差す。
確かに、そこには青白いなにかがいて、こちらを見ているようだった。
その青白いものはちょっとずつこちらに近づいてくる。
ふわふわ浮きながら、どんどんと。
近くで見ると、それは透けていた。
青白く、透けてる。それはまるで幽霊のようだった。
俺「お、おい。あれ、幽霊みたいだよな」
俺は咄嗟にそう言う。
初めはみんな信じていなかったが、皆にもそう見えはじめらしい。
レイ「なんだあれ! 敵か!?」
サンク「いや、あんなやつギーシャにいないぞ!」
いつの間にか、その青白いものは近距離にきていた。
その青白いものは、イノシシのように見える。
「タス...ケテ...」
そのあと、青白い者はなにかを呟きながら消えていった。
俺「なんだったんだ今の...」
ココミ「きっとあのイノシシよ! 多分もう彼は...」
カジナ「亡くなったのか...?」




