本望(3)
ジース「で、一体誰にやられたの?」
ジョリア「4人組だ...1対4だぞ!? だけど俺はこうして生き残った!」
ジース「普通の人なら心臓まで飛ばされたんでしょ? あんたのその体質がなければ、完璧に死んでたじゃない」
ジョリア「...この俺の再生能力を持ってしても、危なかった...」
ジョリアが一瞬マジな顔になる
シガ「で、そいつらは別に襲ってきたわけじゃないんだろ? 新しく敵を作っただけじゃないか、それ」
ジョリア「黙れ! ...こんなんだったら、お前らも連れてくればよかったぜ...」
ジース「作戦...失敗したのね?」
ジョリア「...傷の再生でそれどころじゃなかったんだよ...」
ジース「ほんっと、心臓の位置が人と違ってよかったわねぇ...」
ジョリア「ああ...全くだ...なぁ、シガ、アレは持ってきたよな?」
シガ「ああ、もちろんです...。だが、危険だ...危険すぎますよ?」
ジョリア「いいんだ...あの男..."鳥獣の王"が作った薬品...それさえあればどんな困難をも乗り越えられる...」
シガ「まさかそれで生き返られるって思ってんじゃないでしょうね」
ジョリア「...? 違うのか?」
シガ「確かにそれは生き返れますが....なにより条件があるし、生き返ってもそれはもう、違う人として生まれ変わるんですよ?」
ジョリア「...よく分からねぇが別にいいや、シガ、"ルーム"」
シガ「...はい」
シガが手からなにかを召喚する
そしてそれはたちまち部屋のようになり、快適な空間となった
ジョリア「おお! 気が利くなぁシガ! 俺の好きな「斎藤邦雄のΨ難」じゃねえか! ありがとよ!」
シガ「いえいえ...」
そして彼らはそこで眠りについた。
しかし、何となく、"違和感"をジョリアは感じ取っていた
ー遠くで、なにかエンジンのような音が聞こえる
ジョリア「...おい、お前ら、起きろ...!」
ジョリアは敵を警戒して小声でいうが、熟睡している2人には届かない
"何か"が遠くで音を鳴らしているのが分かった
そしてその"何か"は一瞬でジョリア達のもとにやってきた...ような気がした
ジョリア「...!? 一瞬で消えて...こっちに向かってきた...? ど、どこにいった!? おい、お前ら、早く起きやがれ...!」
シガ「ど、どうしたんですか? ジョリアさん!」
シガはかろうじて目を開けたが、ジースは全く起きない
ジョリア「...敵だ。敵が現れた!」




