本望
ゲルフィは自分の鼓動に耳をすましていた
今まで落ち着いていた、心臓の鼓動が高鳴る
なにかが起こる予感がする。だが...それを成功させるには"自分の力"が必要だと自負していた。
ゼクロの鼓動が弱まるのが聞こえる。
ーチャンスは今である
彼はそう直感した
ゲルフィ(血が大量に出ている...ジョリアはまだか...?)
ゲルフィはジョリアの鼓動を聞き取ろうとする
ゲルフィ(...ジョリアの鼓動が....!)
ーーー数日前
ゲルフィの救出を目論む組織「Themis」
ジョリア「俺ははなから期待はしてなかったぜえ、ピエロなんてなぁ」
青髪の少女 ジース「残酷な話ね...信じてても行動ができなくなっちゃうなんて」
隻眼の男 シガ「ピエロは遺伝的な病気だ...きっと、それを治す薬だって作れないことは無いはず...」
ジョリア「そんなこたぁどうでもいいんだよ! こうしている間にも俺らのゲルフィは痛めつけられちゃってるかもしれねぇんぞ!」
ジース「元々16人いたこの組織も、殺され、裏切られ、今はゲルフィを入れて5人...」
ジョリア「もうほとんど4人のようなもんだろうが、アイツはほっとけ」
ジョリアがカウボーイハットを取る
ジース「ちょっと! フケが散るじゃない!」
ジョリア「なっ、失礼だなおめェ! まだピチピチの129歳だぜぇ!?」
ジース「...」
シガ「それを聞く度に思うが、お前はなぜそんなに生きているのに子供みたいな心なんだ...?」
ジョリア「お前ら失礼すぎるぞ! こんなんだから...」
サイボーグ ロクロ「こんなんだから...なんだ?」
ジョリア「い、いやなんでもねぇよ!」(こんな時だけ食いつきやがって...!)
シガ「ロクロ、お前はどうするんだ? 話し合いにも参加しないし...」
ロクロは既に電源をオフにしていた
ジョリア「...なんであいつ...いるんだ?」
ジース「ロクロはゲルフィにしか心を開かないんだよ...」
ジョリア「...まぁいい、ジース、シガ、これが最後のチャンスだ...」
シガ「このチャンスを逃したら...ゲルフィはもう助からないんだろ?」
ジョリア「ああそうだ。 行くか、行かないか」
ジース「そんなこと、わざわざ聞くの?」
ジョリアはにやりと笑った




