きっかけ
残された敵の名前はサンク。
彼は少し細めだが、筋肉質そうだった。
そして、あの組織の名前は、「ギーシャ」
「おぬし、アジトの場所を教えろ」
カツラが問う。
「ここを出て北東に10kmほど行ったら見える。そこまでいけば分かるだろ」
サンクは、思ったより素直に話した。
「おい、やけに素直だな。まさか俺らを騙そうとでもしてるのか?」
「ちげぇよ。俺は父に無理矢理あそこに入れられただけだ。親父はギーシャの幹部だからな。別に世界政府に反乱するわけじゃねえよ」
俺、カジナ、ココミは世界政府ってなんぞ?と思ったが、それを聞ける雰囲気ではなかった。
「その証拠はあるのか」
レイはいつになく真剣な表情でサンクを見つめる
「ねえよ。殺されても仕方ねえな」
「殺しなんかしねえ。ただ、まだ証拠がないんじゃ信用はできねえよ」
結局サンクは、村の牢獄に入ることになった。
とりあえず、俺達は寝床に行った
21:30 寝床にて
俺「なあ、サンクのこと、どう思う?」
カジナ「信じちゃいねえよ。あんな敵の仲間なんて」
ココミ「でも、本当に無理矢理入れられてたんなら、可哀想よね」
レイ「でも、もし本当に彼の父が幹部なら、助けに来たりしないかな」
カツラ「その時はその時じゃ。その時には、亜人達にも協力してもらいたいのう」
カツラがそう言うと、後ろで声がした
「呼んだ?」
振り返ると、ルシャがいた
カツラ「ルシャか、もしまたあいつらが攻めてきたら、協力してくれるか?」
ルシャ「当たり前だよ!」
レイ「ありがとう!」
俺「ところで世界政府ってなんなんだ?」
カジナ「それ俺も思ってた」
カツラ「そういえば教えてなかったのう。世界政府っちゅーのは、文字通り世界を統べる政府...という訳ではなくてな。この大陸アトラス大陸を統べてる政府のことじゃ。この世界にはいくつか大陸が存在するが、その大陸ごとに世界政府がいるんじゃ」
レイ「あれ、でも確か前の常識くらいは覚えてるんじゃなかったっけ」
俺「いや、それがな、実は...」
カジナ「俺らが前いた世界と、この世界は違うらしい」
レイ「! そんなことあるのか...」
俺「あれ、そこまで驚かないな」
カツラ「まあわしらは豚と話せてる時点で普通じゃないからのう」
俺(確かに...)




