襲来
現在時刻 18:20
それは、突然やってきた。
「人間が攻めてきたぞー!!」
やることがなく、ボーッとしていた俺たちはその声でハッとする。
ここからでも見える。攻めてくる人間達は、したっぱ達の同じ服を着ている。
「おい!お前さんら! あやつらはしたっぱ達の仲間じゃ!」
「ああ...! あいつらを倒すと、なにか情報が得れるかもしれない!」
おれもレイに同意する。
だが、倒すと行ってもどうやってだ。
カツラはおじいさんだし、レイはまだ高校生、しかも俺たちは豚だ。
いや...。ここに仲間はいっぱいいるじゃないか!
亜人の仲間が!
ルシャのいる方を見たら、もうルシャの姿は見えなかった。
ケフタジリさんを先頭とし、亜人達は人間とは戦っていた。
「わしらも協力するんじゃ! 2,3人に麻酔銃をうち、捕らえるんじゃ!」
カツラはそう言い、レイに麻酔銃をわたし、俺達には意志で操作できる装着型の麻酔銃を付けた。
しかし、やはり亜人達は人間よりはるかに強い。
ルシャは飛びながら矢をうち、ケフタジリさんは手から大量の炎を出している。
相手は焦げ、どんどんと死んできている。
とその時だった。
俺らの後ろに声がした。
「久しぶり」
聞き覚えのある声だが、したっぱ達の声ではない。
「覚えているかな? 僕はアイオロス」
姿を見ると、思い出した。
レンゲ峠の小屋で一瞬だけ現れた男だ。
襲われる...そう思ったときだった。
それに気づいたケンジョが、こちらに走ってきた。
それに気づいたアイオロスは突然何かを言った。
「つむじ風」
アイオロスはそれだけ言い、どこかに消えていった。
そして少しすると、離れたところで爆風が現れた。
その爆風は、敵を含めその場にいる全員に襲った。
亜人と俺らは、なんとか助かったが、生身の人間どもはほぼ全員どこかに飛ばされていった。
「はあ...なんとかなった...?」
「ああ...。これもケフタジリさんのおかげだ!」
亜人がケフタジリを褒め称えている中、俺らは高揚していた。
「手がかりが手にはいったぞ」
カジナが麻酔にかかって風にも飛ばされなかった一人を短い手で指し示す。




