覚悟
研究室の中で、レイは準備を始めていた。
時はベスト達がゴーストタウンに着く数日前。
ケイン達が到着した頃である。
カツラ「本当に行くのか...レイ」
レイ「ああ...。僕はずっと、逃げ続けてきた」
カツラ「迎え撃つのが正しいわけじゃない」
レイ「そうかもしれない...でも、僕は決着をつけたい」
カツラ「お前1人で背負い込むことは無い」
レイ「1人で背負い込んでなんかない...。カツラさんに出会って...短い間だけだけど、ベスト達にも出会って...」
カツラ「どこにいるのか分かっているのか?」
レイ「分からない...だから探しに行く」
その時、研究室の扉が無理やり開けられた。
ガシャッという音が無機質な研究室の中に響く
レイ「....!」
カツラ「誰じゃ...」
そこには刺々しい髪型をした、中肉中背の男が立っていた。
目つきは悪く、禍々しい服装をしている。
???「お前がレイか?」
レイは唾をそっと飲み込む
レイ「お前は誰だ...」
???「名乗る必要はない。俺も不服だがな、お前を人質にとる」
カツラ「何を言っとるんじゃ...!」
カツラが武器を取ろうとするが、その男はそれを察知しカツラを蹴り飛ばす
カツラ「グっ...!」
レイ「カツラさん!!」
???「このジジイを殺されたくなかったら、この椅子に座れ」
カツラ「全て...お前の母親のせいなんじゃ! あいつがいつもいざこざを起こして、レイに迷惑を...!」
レイ「カツラさん、僕は大丈夫...。」
カツラ「ダメじゃレイ! お前には人を傷つける勇気がない!」
レイ「大丈夫...」
カツラ「お前は優しい! だから戦いには向いてないんじゃ!」
レイ「向いてないから逃げてきた...! でも僕はもう、覚悟を決めたんだ!!」
レイは立ち上がる
???「オイオイ...このジジイがどうなっても...ッ!!」
レイは男が反応できない程の速度でカツラを遠くに投げ飛ばす
カツラ「レイ...!」
カツラは投げ飛ばされ落下したが、そこには柔らかい研究資材が積み上げられていた。
???(狙ってあそこを...)
???「降伏するつもりはないようだな」
レイは拳を握りしめたが、少し震えている、
???「震えている...。無駄な戦いは避けたい」
レイ「何を言っているんだ...」
???「....」
レイ「これは"武者震い"だ」




