あっちに
ゼクロ「...とは言ったものの...君たちを相手にする時間はないんだよ」
サンク「そっちから来といてどんな言い草だよ...」
ゼクロ「まあ代わりに...お待ちかねのやつを連れてきてやったからよォ」
ゼクロは暗がりの中、廃れたマンションを照らす。
よく見ると、ベランダの壁に腰をかけている何者かの影があった。
カジナ「...ゼロ!」
ベスト「お、おい、ゼロなのか?」
サンク「てめぇ、いつから裏切ってやがったんだよ」
3人が熱くなっていると、背後からケインが襲いかかってきた。
カジナ「クッ。いってぇ」
ベスト「ケインお前!!」
サンク「"ワンキョク"!!」
ケインが吹っ飛ばされる
サンク「...性根まで腐っちまったのか?」
サンクはイライラしている
ベスト「落ち着けサンク! 気持ちはわかる」
カジナ「け、ケイン、大丈夫か?」
ケインの体が透けていく
ベスト「....! どういうことだ?」
サンク「透けてる...まさかこれって...」
サンクがゼロの方を見る
ゼロ「多分もうわかった感じだね。正解さ、そのケインは"霊体"だ」
カジナ「じゃあ本物のケインはどこだ」
ゼロ「ケインは強い男だったさ。大事な妹よりも君たちを優先したんだ」
サンク「...!」
ゼロ「だが...だが僕は弱い男だった...ずっと1人だと思ってたんだ...」
ゼロの表情が曇る
ゼロ「同情を買うつもりは無いが、僕はアリアを人質に取られている。だからって君たちを裏切る理由にはならないが、もし...もし同情してくれるなら、もうここで、死んでくれ」
サンク「よく分かった...。アリアはそれで喜ぶのか?」
ゼロ「悲しむさ、それでも僕はそれを優先する」
ゼロがマンションから飛び降り着地する
サンク「...結局お前のひとりよがりじゃねぇのか?」
ゼロ「君はそんなに口が悪かったかな?」
ベスト「おいゼロ! サンクを刺激するな!」
サンク「...」
サンクの体から光がもれる
ベスト「神通力を纏ってる...!」
ゼロ「僕には君のような格闘能力も、神の力もない。僕は"陰陽師"だということに誇りを持っている」
サンク「だからどうした」
ゼロ「君はその他にも強力な魔術も持ってる...でもそれに君は誇りを持っていない」
サンク「....」
ゼロ「バースト・スピリット!!」
ゼロの手から半透明の球が飛び出し、爆発する
サンク「うっ...!」
ベスト「やる気なのか...ゼロ!」
ゼロ「サモンズ・アーレン!!」
ゼロの横からケインが現れる
カジナ「また霊体...!」
ケインはサンクに攻撃する
ベスト「お、おい! 俺たちも加勢するぞ!」
カジナ「おう!」
カジナが戦闘形態にチェンジする
ベストも魔剣を召喚し、ゼロに切りかかる
ゼロ「3対1か...! いいだろう」
サンク「正直お前をなめてた...こんなに強かったとはな...!」
ゼロ「く...! バースト・スピリット!」
ベスト「避けろ!」
カジナはその忠告も聞かず、ゼロに向かう
ベスト「なにやってるんだカジナ!」
カジナは爆風をものともせず、ゼロの前で腕を思いっきりふりかぶる
ゼロ「...!」
カジナ「なんで...! 屈したんだ!!!」
カジナは大きな腕をゼロの顔面にぶち当てる。
ゼロは数メートル吹っ飛び、さっきまで座っていたマンションに激突した。
カジナ「なんで...仲間じゃねえかよ...」




