タカセレイ奪還作戦
ゴゴゴゴゴゴゴ...!
大きな音をたてて、地下に繋がる扉が開く。
「でかしたぞお前さん! これで地下室に行けるぞい!」
カツラに誉められたカジナは誇らしげだった。
「よし、みんな、行くぞ!」
カジナが先陣をきり、みんなは地下に飛び降りた。
下に降りると、目の前に二人の男がいた。
「おっ、来たぞ! ここまで作戦通りだな!」
「ああ!これでみんな捕まえれば、一気に給料アップだ!」
見るからに、悪の組織のしたっぱのような男達だった。
「おい! レイはどこじゃ!」
カツラがいままで聞いたこともないくらいの大声で怒鳴る。
「ハッハッハッ!タカセレイはこの階の下にいるぞ! あっやべ言っちゃった。やべえ。」
「なにやってんだよしたっぱA! これじゃ給料がさがっちまう!」
したっぱどもは俺らの前で漫才のような会話をしている。
「おいお前ら、なにが目的でレイを誘拐したんじゃ!」
「え? 目的? えっと...あ! そうそう。ちょっと君たちにイノシシを捕まえてもらいたくてね」
「イノシシ?」
「うん。そうそう。普通よりでっかいくらいのイノシシ」
それを聞いてハッとした。
昨日、俺らを助けてくれたイノシシじゃないか!
周りを見ると、カジナもココミも同じ事を考えているようだった。
その時、したっぱの後ろから、一人の男が現れた。
「ああ、もういいよ。イノシシは」
その男はしたっぱ達にそう言う。
一体いつからいたのだろうか。
「え! 何故ですか!? あと少しで捕まえられるのに!」
「いや、もう捕まえた」
男はそう言い、一匹の血だらけイノシシを見せた。
「うわ、本当だあ...。やっぱりアイオロス様は流石です」
「おだてるのはいい、それよりお前ら、もう人質はいらん。返してやれ」
そのアイオロスと言う男は、それだけ言うとどこかへ消えていってしまった。
したっぱ達はアイオロスが変えると、途端に態度を変えた。
「んだよぉ~。あと少しだったのに...。自分で捕まえられるなら俺らを派遣すんかってんだ!」
したっぱAは愚痴を溢す。
「ほんとそうっすよ! あーもうイライラするー!」
したっぱBも同意する。どうやら地位的にはBよりAのほうが上のようだ。
「あーもうイライラする!イライラするから!お前らを!ここで殺す!」
したっぱAはそう言い放ちこちらに襲いかかってきた。
しかし、その時だった。
パァン!!!
大きな音が小屋になり響いた。
カツラが銃を打ったのだ。
「おいジイサン!? マジかよ!」
カジナは驚いた様子だ。
「え?じゃって、殺すとか言ってきたし...」
「お、お前!よくもしたっぱA先輩を!」
それ尊敬してんのか?と思った。
「ま、まあとにかく、レイを助けなきゃ!」
俺らはしたっぱBを無視し、地下に繋がる階段らしきものに向かった。
地下二階には、レイがいた。
「心配かけさせて、ごめん。」
レイはそう言う。
「謝ることなんかない、全部あいつらが悪いんじゃから」
カツラはそうとだけ言い、帰ろうとしていあ。
カツラは気をとりなおしてそう言う。
三匹とレイは、カツラと共に、バイクに乗った。




