脱出計画
サンク「いいか? まず、俺がネズミの魔獣を出して、そのネズミに周りを視察に行かせるんだ、幸い、この施設は見えるところに看守はいない」
ルビー「いや、大体5時間に1度、看守が来る、しかも多分そろそろだ」
サンク「まぁ、逆に看守の見た目を見れていいだろう、その見回りが終わったら計画を始める」
ルネツァン「"猛犬"はどうする気だ?」
サンク「そこは...秘策がある、安心しろ」
ルビー「お前...この施設がなんて呼ばれてるか知ってるか?」
サンク「さぁな」
ルビー「"絶対要塞"マメルテミス・ゾーン」
サンク「絶対要塞?」
ルビー「この牢獄から脱獄したものはいない」
サンク「なんでだ?」
ルビー「一見、カメラも見張りもいない...すぐに脱出できそうな場所だ」
ルネツァン「俺たちは幾度となく、脱獄を目論み、猛犬に殺された囚人を見てきた」
ルビー「だが、脱獄したものはいない」
サンク「猛犬...そんなに強いのか?」
ルビー「ああ...。だがヤツは1度だけ囚人に敗れたことがある」
サンク「詳しく聞かせてくれ」
ルビー「あいつを倒したのは大きな男だった...。そのデカい図体に似合わぬほどの俊敏さで、猛犬を倒したのさ...」
サンク「じゃあ、脱獄に成功したのか?」
ルビー「いや、さらにそれより上の強さを持つ者がいた」
サンクは唾を飲み込む
ルビー「"神童"阿修羅だ」
サンク「...阿修羅...!」
ルネツァン「3つの顔に6本の腕、それを使いこなし襲いかかってくる」
ルビー「当然そいつは助からなかった...」
サンク「その男の名前は?」
ルビー「モーゼル...」
サンク「...!! そ、それって"ほら吹き"の?」
ルビー「ああ...。だが、ほんの2年ほど前までの通り名は"辻斬り"のモーゼル」
サンク「そ、そんな強いヤツなのか? そう思えないが...」
ルネツァン「あいつは捕まったあと、やつらの人格矯正剤『ASH』の犠牲となったんだ」
サンク「そ、それで弱くなったのか?」
ルビー「あいつは何もかも変わっちまった...。戦闘力も全盛期の10分の1もない...」
ルネツァン「それでもやる気か?」
サンク「...勿論だ」




