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家畜の成り上がり譚 〜異世界で俺は強くなる〜  作者: らっぺん
2章 ブタの町 レオパル編
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偽り

その後10分ほど走っただろうか。

気がつけばレイの家の前にいた。

「ハァ...ハァ......。間一髪だったな」

カジナは乱れる呼吸を整えながら、俺にそう言う。

「ああ。でもあのイノシシ、何者なんだ?」

「まあ、イノシシについてはまた後に考えるとしよう。とりあえず中に入ろうぜ」

「あ、ああ。そうだな」


そして俺らの小さな冒険は幕を閉じた。


帰ってきたから30分ほどたっただろうか。突然、家の扉が開く音がした。

俺は音に気付き、玄関の方を向くと、レイが帰ってきていた。

レイはただいまとも言わずに、そのまま夕飯のしたくを始めた。

レイはその後も一言も話さず、ただ黙々と飯を作っていた。


「ねえ、レイ。そういえばエサがそろそろ無くなりそうなんんだけど、明日買ってきてくれない?」

ココミがレイに話しかけるが、レイは無視する。

「なによ。レイのやつ。」

ココミはしけてしまった。


「なあ、今日のレイ、おかしくないか?」

カジナが話しかけてきた。

「うん。俺も思ってた。絶対おかしいぞ」

「なんかあったのかしら?」

「学校で嫌なことでもあったのかなあ...」

「ていうか、腹減った。とりあえずエサ食おうぜ」


カジナの提案で、とりあえず飯を食うことにした。


その後、何時間経っても、レイは何も話さなかった。



翌日


「レイ、今日も喋ってくれないのかなあ?」

ココミがそう話しかけてきた。

「レイは、豚の俺らと話せてとても喜んでた。なのになんで急に話してくれなくなったんだろう。きっとなにか理由があるんだろうけど...」


その日の朝も、レイは話しかけてくれなかった。

「俺、ちょっと話しかけてくるわ」

カジナはそう言い、レイに「おい、どうしたんだ?」と言った

それに、「なにかあったんなら相談してくれよ?」と続けた。

しかし、レイは無視し、玄関に向かっていってしまった。

だが、俺は違和感を感じた。

なんだか、いつものレイとは違うなにかを感じる。


「なにか」の正体はわからないが、違和感を感じるのだ。

俺は衝動的にレイにどなった。


「おい!なんか言ったらどうなんだよ!」

カジナとココミは少し驚いた様子だ。

だが、それでもレイは無視をし、立ち去っていった。


その態度が気にくわなかったのか、俺はいつの間にかレイの足首に噛みついていた。

その瞬間、レイは「やめろよ!!」と怒鳴り、足首に噛みついている俺をふりほどいた。


俺は気づいた。


「あれはレイじゃない!」

突然の俺の声に、ココミとカジナは驚きっぱなしだ。

「レイじゃない? どういうことだ?」

「レイには足にアザみたいなものがあったんだ!それが今はない!」

俺の訴えに、カジナは納得する。

「本当だ!あれはレイじゃない!」


その瞬間、レイだと思われていた人物がそそくさと家を出た。


「まずい! 逃げられるぞ!」

カジナがそう叫んだのもむなしく、時はすでに遅かった。

玄関の外にレイの姿はなかった。





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作者Twitter https://twitter.com/Rappen_77?s=09
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