獣にも人にも
ココミ「カジナ、いつまで続ける気?」
カジナ「強くなるまでずっとだ! それか腕が折れるまで!」
薄暗い森にガコン、ガコンと地鳴りのような音が響く。
ココミ「もう、いざとなった時に腕が痛いってなったらどうするのよ」
カジナ「いいんだよ、多分今はそんな事ないから」
そんな話をしていると、遠くから声が聞こえた。
カジナ「この声...、黒虎か」
黒虎「結構遠くまでいってんだな。ちょっと2人とも来てくれ」
そう言って黒虎は2人に薬品を見せた。
黒虎「こっちがカジナ、こっちがココミ、俺も詳しくは分かんないだが、飲んでみろ」
カジナ「飲めるか! 誰のクスリだこれ!」
黒虎「そう言うなって、カツラってやつのだよ」
ココミ「あー、カツラさんがねー、」
黒虎「とりあえず飲んでみろ」
2人はカツラの名前を聞いて安心したのか飲み始めた。
カジナココミ「ん゛っっ!!!!」
黒虎「お、おいどうした! 毒か!?」
カジナ「んぐぐぐぐ」
ココミ「ぐげげげげ」
黒虎「最悪だ油断したっ! あのジジイめ...!」
黒虎がカツラのことを怪しく思っていたところ、2人は光に包まれた
黒虎「こ、これは...」
光がなくなり、カジナとココミの姿が見えるようになった。
2人の姿はさっきまでとかけ離れた姿になった。
カジナは身長がくまの時とくらべて低くなり、小柄になった。
だが腕、足にはクマのような爪、体毛が生えていた。
ココミは人型になっていた。
しかし背中からは羽が生え、いまにも、飛んでいきそうだった。
これが後に言う、獣人の誕生である。




