大河
「うーん。それが起きたのは何年前じゃったか......。でも確かレイが生まれる1,2年前だったのう。その男の名前はクワバラ タイガじゃったな」
(クワバラタイガ?聞き覚えがあるな。)
そんなこと思いながらカツラの話を聞いていると、こんなことを口にした
「てか、それ都市伝説じゃないぞ、実際に起きた話なんだから。」
「!?」
「実際に起きた話!?」
「ああ、そうじゃ、タイガは今この施設にいるぞ」
「なんだって!?今、会いに行けないんですか!?」
「会いに行けるぞ、ただ、豚のほうじゃが」
「是非会いに行きたいです!」
10分ほど後
「やっぱり、来て正解だったろ」
にやにやしながらレイが俺に話しかける。
「ああ、まさか本人に会えるなんて思ってなかったよ」
そうこうしている間にカツラと一緒に一頭の豚がやってきた。
「こいつじゃ、タイガの横に寝とったのは。種類はミドルホワイトじゃ」
その豚はなにか呟いていた。それに気づいた俺は、レイに4匹で話させてほしいと頼んだ。
「すみません博士。今日連れてきた三匹と密室でコミュニケーションをとらせてもいいですか?」
「おっおお...。別にいいが、よくわからん頼みじゃな」
「理由は特にないです!じゃあ部屋使わせてもらいます!」
レイはそそくさと立ち去る。
(レイ...。ついに豚と話せるようになったんじゃな。わしは嬉しーぞ。)
4匹の会議
「なあ、あんたはタイガさんなのか?」
カジキがタイガらしき豚に話しかける。
「...そうだ」
とても低く、絞り出すような声だった。
「タイガさんは、生前のこと覚えているんですか?」
俺も問いかける
「...ああ。だいたい覚えてる。でも、豚に生まれ変わったばかりの頃はなにも覚えていなかった」
「最初は覚えてなかったんですか?じゃあなぜ覚え出せたんです?」
「おそらく、きっかけだろう。カツラと俺は昔からの親友で、カツラは毎日俺の人間だったころの写真や思い出の品を見せてくれた。だからカツラが辛いときは俺が話しかけてやった」
それを影から聞いていたレイが驚きながら会話に入ってきた。
「話しかけたのか、じゃあ博士も豚とコミュニケーションを取れてたのか!」
そう話している間に二時間ほどたっていた。
「なあ、レイ。もう10時だぞ、家に帰らなきゃ」
カジナはそうレイに言った。どうやら腹が減ったらしい。
「ああ、もうこんな時間が、まだ知りたいことがたくさんあるんだけど......。」
「もう今日はいいわよ。一気に色々なことを知ると逆に混乱するわ」
ココミが最もなことを言う。
「それもそうか。じゃあみんな、帰ろうか!博士、タイガさんありがとう!」
「また来いよ、レイ坊!!」
(やっぱこのジジイキャラ掴みにくいな!)




