1/9
ある日のこと……
まだ幼さが残る少年と少女が歩いている。
二人がいる世界は何もかもが暗かった。
空は薄暗く、大地も乾き果てている。
まるで全てが死に絶えたような世界だった。
◆
突然何の前触れもなく大地が揺れる。
「来たぞ!構えろ!」
「わかった!」
二人は言葉短く意志疎通を行うと、それぞれ来るべき敵を討つ準備を始める。
少年が右手を伸ばし何かをつかむような動作を行う。
すると、両肩から通常の4~5倍ほどの黒い骨腕が現れ両腕を籠手のように覆っていく。
続いて少女が右手首を噛みきった。
すると、傷口から鮮血が溢れだし刃物の形を作っていく。
それを彼女は五つほど作り、空中に浮かばせている。
二人が構え終わった瞬間大地が真っ二つに裂け、八つの首を持つ蛇が現れる。
『キシャャャャ!』
「けっ、ヤマタノオロチってか」
「敵がなんだろうと関係ない。倒すだけ」
そうして二人は戦いに身を投じてゆくのだった。