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イージスの皿は砕けない! ~龍に勝つ方法? 飯を喰らって食事強化《バフ》ればいい~  作者: タック
二章 同じ皿の飯を食う冒険者ギルド、アルゴナウタイ設立

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プロローグ 狂人製造方法

 昔の記憶。最初の記憶。嫌な記憶。

 物心ついた時から、母親はいなかった。

 スラム街じゃ普通の事かも知れない。


 父は酒と薬におぼれていて、すぐに暴力を振るった。

 それから守ってくれる光のような存在、父とは違う本当の意味の家族がひとり。

 ──彼女が家のお金を稼ぐために唯一働いていた。


 夕方に出かけて、朝方に疲れて帰ってくる。

 お帰りなさいと言うと、彼女は優しく微笑んで、ただいまと言ってくれた。

 それから死んだように眠り、起きて仕事へ行くという繰り返しだった。


 早くこっちも同じように働きたかったが、彼女に勉強するように言われた。

 彼女のために栄養の付く食べ物を盗んできた時は、抱き締められて、そして謝られた。

 だからスラム街の住人なのに、盗みはしなくなった。彼女が悲しむから。


 ある日、父が、彼女を泣かせていた。

 許せなかった。

 殴った、父をひたすら殴った。


 次の日、逆恨みしてきた父に売られた。

 奴隷というやつだ。

 表だっての罪人の奴隷では無く、金のために売られた罪無き人を扱う裏の奴隷。


 境遇もそれなりに酷い。

 一人目の御主人様に虐待されたが、彼女の事を考えたら何も辛くなかった。

 悲鳴をあげないのが面白く無かったのか、飽きてまた売られた。


 二人目も、三人目も、四人目の御主人様も……数えるのを飽きるくらい繰り返した後に、その魔女に出会った。

 魔女は比較的自由な行動を許してくれた。


 そこで、久しぶりに家に帰って、彼女に会いに行った。


 そこで……久しぶりに……家に帰って……アレ?


 なんだっけ……。


 うまく思い出せない……けど、父を殺した。


 彼女とずっと一緒になれた──!


 しあわせ だから まじょに かんしゃ しよう。

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