第零話-プロローグ
ここはどこだろう?
周りを見渡すとそこは森の中だった。
なんでこんなところに?
俺はどうしていたんだっけ・・・。
そうだ!
俺はあのとき信号無視してきた車にぶつかって——
そこから意識はなかったから多分死んだんじゃないかな。
ということはここは天国?
天国なら誰かいるはずだからとりあえず散策してみよう。
しばらく歩いていると開けた場所に出た。
そこには木の丸テーブルがあり、椅子が2つあるうちの1つに誰か座っているようだ。
俺はその誰かに近づいていき、声を掛けた。
「ねぇ、君ここがどこか知らない?」
声を掛けると、その誰かはこっちを向いた。
その少年は黒い髪を短くしてあり、見た目的には15歳ほどに見えるが、黒い執事服を着ているので少し大人っぽく見える。手には本を持っていた。
「やあ、君を待っていたよ」
「俺を待っていた?」
「まあとりあえず座りなよ」
俺はそう促されたので空いている椅子に座った。
そして聞きたかったことを聞いてみる。
「ここはどこか知ってる?」
「ここは転生の間だ」
「転生の間って何なの?」
「簡単にいうとね、死んだ人間は1度ここに来て何らかの生物になって、別の生を受ける場所さ」
やっぱり俺死んでるのか。
じゃあ俺は何に転生できるんだろう?
虫とかは流石に勘弁してほしいけど・・・。
「僕はここの担当の神にさっきなったんだけど最初の転生者には優遇しても良いってマニュアルに書いてあるんだ、自我を残してもいいとかね」
「俺が君が担当する最初の転生者?」
「そうだね、とりあえず転生する場所の条件を絞るため質問していくよ」
「わかった」
「1つ目に君がいた日本みたいな科学の世界とそれとは違う魔法の世界どっちがいい?」
それは転生できるってときから決めてる!
「魔法の世界で!」
「決めるのが早いね」
「そりゃ魔法つかいたいからね!」
「では、2つ目に何か能力が欲しいかな?」
「他人と被らないもので」
その少年は顎に手を置き、何か考え始めた。
数分後閃いたような顔をしてこちらに話しかけた。
「じゃあ時空魔法を使えるようにしてあげる」
「何が出来るの?」
「例えばこんなふうなことができるね」
というと、手を俺に見える位置に置き何もないことを示し、「今からやるよ」と宣言した。
すると、一瞬で手にはコインが存在していた。
「す、すごい」
「これは《異空間収納》を使ったものだ、入れる時は念じれば」
すると、コインが消えた。
ほんとにすごいな。
他になにがあるのだろうか。
「他に何かあるの?」
「《転移》とかだね、時空魔法は時と空間を操ることができるんだ、他の用途は君自身で考えてみなよ」
「それは次の生で頑張るよ」
「じゃあ質問はこれで最後だ、君は何に生まれ変わりたい?」
「魔物とかにもなれるってこと?」
「そう言う事」
うーん、どうするかな。
まだ15年ぐらいしか生きてなかったし、人でまだ生きたいな。
「人でいいよ」
「そうか、じゃあ性別は?」
前世ではぱっと見女の子に見られてたからな。
まともな男の容姿になりたいから─。
「男でお願い」
「了解」
「これで質問は終わりだね」
「それじゃあ君の魂を転生する世界に送るよ」
すると、俺を光が包み出す。
「言うの忘れてたけど時空属性は時を操れるけど現在から過去への干渉と生命体の時を止めることは出来ないよ」
「ご忠告どうも」
「では、良い人生を」
そこで俺の意識はなくなった。