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Melt of Border~蒼の戯れ、朱の叡智~  作者: Sigeno@GSX
Lv.1:異世界入門
2/10

兄、馴染む

兄側の第二話になります。

1セディナ:1円と思えばいいかなぁ、と。

広告に流され、意識が落ちた兄の蒼河。


彼が目を覚ました場所は空と思しき場所。

遠くに、さっきまでいた部屋が見るも無残にぐしゃ

ぐしゃになっているのが見え…いや、見てしまった。


「俺の…部屋ぁー!?」


ギャァァァと悲鳴をあげる蒼河。


【…い、おい、聞こえるか。】

「お、俺の部屋が…聖域が…」


声を無視し、彼は大きく肩を落とした。


【話を聞かないか馬鹿者。何だっけ…あぁそうだ。

…私はこの世界の全て。君が選んだ世界を作った

…ぷろぐらまー、というやつだ。】

「…それならプロデューサーにも近いな。」


会話の内容から察するに、彼からは上下意識が抜けている。そしてこの世界の全て(以降統治者)もそれを

流した。


【さて、君はこの世界を望んで飛んだ訳だが…】

「あぁ、自分で望んだアカウントだ。」

【アカウント?】

「いや、何でもねえ忘れろ。」


多分、説明しても分かってくれない。

そう決めつけた蒼河は、話を進めていく。


異世界での天の声と来れば、次に来るのはジョブ選択かと思ったが、統治者が出したのはサイコロだった。


「…これはどういう事で?」

【異世界スキルの割振ってやつだ。この表に従ってサイコロを3回回す。それで当たったスキルを一つだけ

持って行って貰うぞ。】

「ふむ…」


提示した表を見る蒼河だが、彼はその中の戦神の覇気というスキルにしか魅力を感じなかった。鍛治師

というスキルもあったのが、スローライフというのは蒼河に合わないようだ。


(戦神の覇気って奴は3,4,6か。よし…)


そのサイコロを試し投げをすると、フワフワと空中で目を固定して止まった…ボードゲームのような力加減の調節は望み薄かも知れない…


…試しにとりあえず振るか。出目は3,4…5。


「…振り直していい?」

【ダメだ、現実を受け入れろ。】

「異世界にまで現実とか言われたくねえ!」


鋭いツッコミを刺す蒼河を横目に、自身の出した表を指で辿っていく統治者。その行き着いた先にあった

スキル、それは…


【イカサマ師…】

「…使えるスキルだろうな?」


詰んでるよこれとでも言いたそうな顔になる蒼河だが、そんな彼の心を否定するように統治者がその口(?)を開いた。


【あぁ、私が作ったからな。】

「…」


自信満々な声が頭に流れ込んで蒼河も大丈夫な気に…はならないが、無いよりはマシという気にはなった。

それにしても、イカサマ師か…


【さて、これで君は異世界を生きる術を得た訳だが。…最初のスタート地点は何処がいい?】

「んー…それは任せる…けど」

【何だ?】

「出来れば移動の足が欲しいな!」


効果音を付けるなら「キャピッ☆」…的な顔になる

蒼河。それを見た統治者は、若干呆れた声で一つ付け加えた。


【今までそんな事言うやつ居なかったよ…

分かった、何か付けとく。】

「りょーかい。んじゃ、飛ばしてー。」

【はいはい…星々よ示せ。この者に、導きの光を!】


聞き終わるかどうかの所で、俺は目覚めの時を迎えた。異世界の太陽を浴びながら目覚めた場所は、深い深い森の中であった。


「こりゃ、ずいぶん派手なプレゼントだな…」


プレゼントとは…真横に擦り寄る巨狼か。

おかしいと言えばおかしい。明らかに彼の倍はあろうかという巨体で額を喜びの表情で擦り付けているのだから。もふもふだ!等と喜ぶよりも前に、これ

喰われんじゃね?と固まる蒼河。

そもそも足をくれと言ったのは自分のはずだが…


(ど…どどど童貞のままで死にたくねぇぇぇぇぇ!?)


パニック状態もいい所。


それを宥めるように巨狼が蒼河の頭を撫で始める…

彼はその人生で2度目の意識喪失を経験した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

意識が再覚醒した蒼河。

その思考はクールダウンされた物で、巨体をもふもふと触りながらどんな名前にしようかと考えていた。


「ブルーム…でいいか。」


その一言で嬉々とした表情になる巨狼…どうやら名前を気に入ってくれたようだ。


ブルームをもふもふしながらその背中によじ登り、

最も近い街の匂いを嗅げるか催促してみる。

すると先程まで向いていた方角から真逆にゆっくりと動き始めた。言葉こそ分からないが、その声と表情

からある程度は読み取れる。


掴まってくれ、ひとっ走りで着くぞ…と。


馬に乗るように跨り、その疾走感に身を委ねる。ふわふわした感触に眠気が…来ないほどに速度が出る。

何だこいつ!?


時速80kmはあろうかという速度に髪がぼさぼさになる。道中で巨人らしき物を見かけたが、この速度に

追いつくスピードは無いらしい。


エキサイティングなドライブの末、辿り着いた街の名は【ルーゲンシュタット】。


異世界に来てから、

最初に俺の聖域へと変貌させた街だ。

ステータス


【名前】

雷藤蒼河


【スキル】

イカサマ師…詳細不明

テイマー

└初級…魔獣をテイム可能になる


【武器】

ブルーム(ペット)


【防具(服)】

T.U.のTシャツ

T.U.のジャージ


【持ち物】

スマートフォン


【所持金(異世界変換済)】

2217セディナ

────────────────────────

ペットステータス


【名前】

ブルーム


【種別】

ダズルライガー


【スキル】

超嗅覚…あらゆる匂いを嗅ぎ分ける

環境擬態…周辺環境に応じて体色を変化

風刃…風+斬属性の刃を使用可能

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