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Melt of Border~蒼の戯れ、朱の叡智~  作者: Sigeno@GSX
異世界の扉
1/10

兄妹、飛ぶ

本当に初心者なので、書き方に関してオブラートに御指摘ください…

この世界には二つの人種が存在する。

一つは社会に適合し、自分の生きる環境を得る者。

一つは、社会に適合せず、頂点か破滅かに向かう者。


そして彼は言うなれば後者、その破滅側だろう。


家から出る事も無く、自身を腐らせながら

ゲームに興じる男。


名を、蒼河。


職業、言うなれば引きこもり。

顔は悪くないのだが、口から飛び出すのは

毒ばかりなのである。

…と、社会不適合もいい所だが、彼には唯一誇る物があった。それはPvP系のゲームに限定された、一種の

未来予知のような物。


彼のPNは噂が付き続けており、彼が動けば

そのチームは勝利すると言われる程。


そんな彼が異世界に飛び、噂が現実として具現化した理由。それは、とある広告だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

日本時間【8/18 11:24】


平日の朝からオンラインゲームを開く蒼河。

そのゲームで使うキャラは鍛冶ビルドと呼ばれる物で、彼は珍しく戦場という場所から離れた世界を

楽しんでいた。


【あ、これで大丈夫です!あざーす!】


以前注文された属性付き片手剣を作り上げ、依頼主に送信。感謝のチャットを聞いて 【お疲れ様、前に

突っ込みすぎるなよ】とだけ打ち、自分もログアウト。


だがそのログアウトが、転機を引き込んだ。


軽い電子音が鳴る…メールだ。

URLが貼り付いていて、そのタイトルは


《異世界に生きてみませんか?》。


言葉に飛びついた蒼河。…いや、飛びついてしまった彼は注意書きもすっ飛ばし、そのメールのリンクへ飛んだ。


そのサイトの名は「異世界製造所」。


中二なネーミングだったが、面白そうだからやって

みるらしい。…大胆にも程があるだろうに。


情報の入力欄を開くと、たくさんの情報が並ぶ。

どんな世界観がいいか。能力、歳、身長関係。

果てには血縁関係…どこまで聞くつもりだろうか。


そこまで入れ終えた時、メールがまたも届く。


【件名:転送準備完了のお知らせ】


件名を見て彼が咄嗟に思い出したのは、2個前のゲームをこんな感じでアカウントを作った記憶だった。


「お、これ新しいゲームだったか。」


メールを開くと、麻酔をされたような感覚に陥る。

麻酔というのは少量なら人は意識を落とさないらしいが、その脱力感は全身麻酔を彷彿とさせる程の感覚があった。


何、え、意識が遠───────


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

…この世界には二つの人種が存在する。

一つは社会に適合し、自分の生きる環境を得る者。

一つは、社会に適合せず、頂点か破滅かに向かう者。


彼女は言うなれば後者、その頂点側だろう。


中学生で、アメリカ某大学の研究に興じる女性。


名を、朱奈。


職業、誰が見ても間違う事の無い研究者。

IQ237の天才であり、美麗、しかもスポーツ万能。

…と全てを兼ね備えていたのだが、彼女は唯一の欠点があった。それはほぼ会話が出来ない事。正確な事を言えば兄以外と。


幼少期からその頭脳は成長を続け、小学生にして東京大学を主席で卒業してしまう。


面接では試験官から出された研究に対して参加を表明し、研究をほぼ単独で完成させたという記録がある。


そんな彼女が異世界に飛び、現実が噂として具現化

した理由。それはとある実験だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

日本時間【前記同刻】


大学の研究室に籠って連日ほぼ無休で実験を続ける

朱奈。右手に試験管、左手に研究記録用のノート。



ちなみに、彼女が行う日常のやりとりは


「朱奈さーん、ごは」

「今忙しいので結構です。」


程度である。


さて、彼女が行っていた実験は重力回廊…いわゆる

ワームホールに近い物の研究。完成間際だが、彼女はここで悩んだ。


(今までの研究からして、これは完成させるべきじゃない。歪んだ空間から何が出るか分からない。いや、でも…)


そこまで考え、左手の関節に痛みが走った。指が麻痺してノートを取り落とす。床に落ちたノートは、あるページを開く。


…朱奈の境は、このページに興味を示した事だった。


【次元反転回廊論】


いわゆる三次元世界と二次元世界をひっくり返し、

アニメや空想と現実を入れ替えるという実に嘘くさい論文…


しかしその論文に惹かれた朱奈は、自身が手にしていた試験管がノートの一文をそのまま表してしまった物である事に気づく。

これが兄貴なら即座に食いついて行くだろうし、自分だって止めようとは微塵も思わない。


やり方を知らない故、書かれた方法を使う。すると

回廊が本当に開いた。しかし、行先不明の回廊に

吸われるのは誰が予想しただろう。


朱奈は両手にノートと試験管を持ち、財布をポケットに入れたまま、兄と同じく異世界へと渡った。

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