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見えない努力

キャバクラはホストクラブと違い、見た目がそこそこ良ければ会話ベタや未経験でも3ヶ月もすれば、売り上げ10番以内にかなりの割合で入れます。店舗の大きさや設定金額の違いなど様々ですが、大体50〜80万といったところでしょうか。

実際見た目が抜群に良くて、働いて次の月にはナンバー3になったコもいましたが長くは続きませんでした。

フロア(店内)で女のコ達が接客している様子を僕達従業員は、よく観察しています。

フリー(指名なし)で入ったお客に、どの女のコが合いそうか見ていたり、何か失礼な事をしてないかとか始終考えています。

お客様の立場に立って物事を常に考える。そう、さっき話した見た目でナンバー3になったコが出来なかったのは、そこでした。ノリと若さだけでは限界があります。お客に指名され、何度か接客していく間にそのお客の趣味思考を把握し、努力する姿勢が足りなかったから段々と働く事がツラくなっていったのです。

ひとつでもいいから相手の好きな事を自分も上辺だけじゃなく、よく調べ理解する。常にナンバーワンのコは、この辺の努力は半端じゃありません。

見えない努力…大事ですね。

ある店舗のナンバーワンのコの話ですが、ある日お店に車椅子のお客がフリーで来店されました。

しかも口がきけないので身振り手振りで意思疎通をしなければなりません。当然、店の女のコ達は『何であんな人店に入れたのよっ!』といった感じで誰もテーブルにつきたがりませんでした。

そんな中、ナンバーワンのコだけは違っていました。

彼女は、そのお客様の接客中、必死に相手の身振り手振りを理解しようと努力し、お客を満足させようと頑張っていました。

周りのコ達は、よくやるよといった冷ややかな反応でしたが、そのお客はとても喜びナンバーワンのコを場内指名し、帰りには僕達従業員に握手して帰る程喜んで帰りました。

そうして2日に1度はナンバーワンのコを本指名で来店するようなり、すっかり店の常連さんになりましたが、びっくりしたのは、そのお客様に対してではなくナンバーワンのコに対してでした。

その車椅子のお客が来店するようになって数週間…彼女は手話でお客と会話が出来るようになっていたのです。

店のコ達もこれにはびっくりし、ナンバーワンのコは一目置かれる存在となりました。

見えない努力…大事ですねっ♪

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