表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
慧充傳  作者: 大友うさぎ
2/8

後宮

周太后は声を張り上げて激怒した。泰定帝が皇后のもとに通っていないと知ったからだ。しかも、通っている相手が女官で皇后も知っていて通わせていたという。呼び出された皇后、孫霓花(そん・げいか)は俯くだけであった。控えめな彼女は寵愛を巡る争いに巻き込まれたくなかったから、皇帝の手助けをしたのである。だが、それが太后からすれば面白くない。

皇帝には麗妃(れい)芳妃(ほう)愨妃(かく)宜妃()の四人の妃がいた。その四人には子どもがあったが、正室である皇后には子どもがいなかったのである。嫡出の皇子を待ち望む太后は皇后の争わない姿勢に怒りを覚えたのである。

周太后は皇后に対して大きな期待を寄せていた。それだけに声は徐々に大きくなる。元肅皇后も生前は同じように太后から大目玉を食らった。しかし、それが原因で鬱ぎ込んでいつしか床に臥せるようになってしまったのである。何故、太后が嫡出にこだわるかというと、太后が側室上がりで皇帝が庶子だったからだ。太后は歌妓で皇太子であった先帝の目に留まり、後宮へ上がった。身分の低さから辛苦をなめてきた彼女は「嫡出」という言葉がどれだけの力を持つかを知ったのだ。それは孫皇后も知っている。しかし、皇后からすれば寵を競わず「譲る」というのが美徳であり、太后の怒りはお門違いなのである。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ